知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。

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発足にあたって

これはいま誰もが感じていることですが、環境破壊やそれにともなう異常気象、それらを推進している経済的・政治的グローバリズム、そこから派生する戦乱やテロリズム、国内的・国際的貧富の格差の拡大と人心の荒廃、増大する犯罪と疾病、各地域のゆたかで多様な文化の崩壊など、頂点に到達したはずの近代文明の未来、あるいは人類そのものの未来には、なにひとつ明るい見通しはありません。世界はいま、急激に悪い方向にむかっているとしか思えない状況です。

しかしそれに対して、グローバリズムを推し進めてきた政治的新保守主義(ネオ・コンサヴァティヴィズム)や経済的新自由主義(ネオ・リベラリズム)を批判することで、文明の方向転換をはかろうとしても、同じ近代主義あるいは近代性の土俵で格闘するかぎり、出口はなく、迷路でさまようだけで終ることになるでしょう。

私たちは、かつて多くの賢者たちが警告したように、一度近代性の土俵の外に立ち、現状のよってくる所以を確認し、そのうえで未来への方向性を見いださなくてはならないのです。

その出発点は、これまで省みられることのなかった「身体性」にあります。これは、現在見られる“健康ブーム”や、知育よりも体育を尊重せよといった意味での「身体」ではありません。長いあいだ観念だけの思想に頼り、「人間精神」をささえる手段でしかなかった「身体」、または「自然」を問いなおすことを意味します。具体的には、私たちが取りこむ最初の自然である大気や食を通じ、また自己の身体のもつ自然の力を喚び起こすことによって、人間と大自然および宇宙との関係を問いなおすことからはじまります。

その上で、それによってえた認識を、さまざまな非近代や古代の知、あるいは諸々の芸術などから学びながら、近代性が生み出した矛盾を根源から批判する「知」にまで高め、それを、「文明」を新しい方向に転換する梃子としなくてはなりません。

私たちの運動を、「知と文明のフォーラム」と名づけたゆえんはそこにあります。

私たちはここで、上記のように身体や感性の鍛錬からはじまり、最新の科学的認識にいたる人間の全体的な知を探求し、またそうした表現の場を、自由で友愛的な人間関係の中でつくりだしていきたいと考えています。このフォーラムをどのような創造的な場としていくかは、メンバーや参加者の意欲と意志にかかっています。

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