一般財団法人 知と文明のフォーラム

活動報告

  • 第2回セミナー 2006年5月27・28日
  • 性差とジェンダー1―ジェンダー概念の見直し
  • 講師:青木やよひ、北沢方邦

  • 本来はインド・ヨーロッパ語に見られる、名詞の分類としての性別を指すジェンダーという言葉が女性学に導入されたのはそれほど古いことではない。当初それは、生物学上の雌雄を示すセックス(性差)に対し、文化的・社会的に形成された男女差と定義されていた。

     確かにこの概念を導入することは性差別の根源を探るのに有効であり、私自身この言葉をもっとも早く使った一人である。だが、性差とジェンダーとの関係は、一方が先天的であり、他方は後天的(人為的)であると割り切れるほど単純ではない。

     にもかかわらず、十分な議論もされぬまま、80年代後半以後、ジェンダー = 性役割( = 性差別)の安易な図式化が行政レベルにまで定着する。一方、女性学の中には、性差(セックス・ディフェレンス)を論ずる者はアンティ・フェミニストだとする意見まで現われるようになった。

     それが19世紀以来の「解剖学的宿命」論への反発であるのは理解できるにせよ、ヒトの生物学的所与を不問にして進められる「男女平等」は、人間の現実を無視した観念論と言わざるをえない。必要なのは、まず偏見をそぎ落とした性差の見直しであり、ジェンダー概念の正確な把握にあるのではないか。それがこのセミナーの狙いであった。(青木)

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