一般財団法人 知と文明のフォーラム

活動報告

  • 第7回セミナー 2007年10月13・14日
  • 性差とジェンダー2――脳の性差および文化と思考の問題/アメリカ先住民女性の文学とジェンダー
  • 講師:北沢方邦、青木やよひ、杉山直子

  •  ジェンダー概念の再検討を統一テーマとした前回セミナーとは趣を変えて、参加者の立場でみると今回はある種のコラボレーションが効果を発したように思える。一方にあるのは総論としての「ジェンダー・システム論」であり、もう一方には、「アメリカ先住民女性の文学とジェンダー」の各論がある。あるいは一方の原理と他方の現象といってよいかもしれないが、ともかくそれぞれ独自の面白さとは別の、響き合いのごときものが生まれたのではないだろか。

     「ジェンダー・システム論」は、それぞれの種族の神話的思考・宇宙論を直接反映するジェンダー分類法(すべてを女性・男性に分類する思考)、目に見える社会組織・制度とバランスをとる潜在的社会大系としてのジェンダー・システム、心身二元論を奉ずる近代社会でのジェンダー・システム喪失、この三点を中心に明解な論が展開された。とりわけ、「表層の非対称を深層の非対称で補正し、社会的超対称の実現で宇宙論的ジェンダー・バランスを回復」との指摘には、生命原理の秘密を知らされるような快感を覚えた。

     これにたいし「アメリカ先住民女性の文学とジェンダー」は、北米先住民の女性の文学という分野にしぼった刺激的な報告であった。世界最先進国のなかで、作られたネイティヴ・アメリカン・イメージと向き合いながら、先住民の女性としての受苦と尊厳と可能性を作品化しようとする「現場」の諸問題が提起された。先住民ということばがどこかよそよそしく響くよう仕組まれた日本では、こうした形の生の情報はとても重要である。(片桐)

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