知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。

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むさしまるのこぼれ話 その六 苦い銭

出稼ぎ、と聞くと自動的に反応してしまうのは、やはり育った時代と土地柄のせいだろうか。中卒の集団就職列車の光景がふと思い浮かんでしまう。そういう世代の原風景を見透かすかのように、パンフレットには、幼いと言っていいほどの娘の …

楽しい映画と美しいオペラ――その78

オペレッタの楽しさがいっぱい!——東京室内歌劇場『天国と地獄』 芸術は人生にとって、本当に必要なものなのだろうか。ここ半年に近い間、私はオペラはもちろん、映画すらも観にいかなかった。家でも、音楽はほとんど聴かなかった。理 …

むさしまるのこぼれ話 その五 海角七号

「海角七号」、これはどうやら地名らしい。岬7番地といったところか。台湾映画で歴代2位の観客動員数を誇る作品だ。いろんな条件が重なって大ヒットということのようだが、その条件ひとつに舞台が台湾最南端の町(つまり台北でない)と …

むさしまるのこぼれ話 その四

最初の映像は砂丘地帯を馬がゆく。馬上には黒い衣装の男、それと後ろに素っ裸の男の子。人を食ったような光景だ。やがて、とある村につく。村人はほとんど死んで、そこら中に死体がゴロゴロと転がっている。瀕死の男が一人いる、その男に …

フォーラムをめぐる人々―歳をとるのもいいものだ

歳をとるのもいいものだ 歳をとるのもいいものだ。こんな嬉しい感慨を覚える映画に出会うことができました。春日井市近郊のニュータウンで、野菜70種類、果物50種類に囲まれて暮らす老夫婦のドキュメンタリー、『人生フルーツ』です …

楽しい映画と美しいオペラ――その77

祈りは音楽の源泉か——真言声明とグレゴリア聖歌のコラボレーション 祈りこそ音楽の源泉ではないか? 真言声明とグレゴリア聖歌のコラボレーションを聴いて、そう実感した。声明は日本音楽の、グレゴリア聖歌は西欧音楽の、それぞれ源 …

むさしまるのこぼれ話 その三

こんな味わいの日は、そうざらにはあるまいなと思えるほど濃い時間を過ごした一日だった。台湾映画の7時間、そのあとビールと餃子を囲んで映画好き3人の映画評。帰りの電車のなかでは、人々の日本語が異国語に聞こえた。オレ、台湾人に …

フォーラムをめぐる人々―仲間と観る映画もいいものだ

仲間と観る映画もいいものだ 映画はひとりで観ることが多いのですが、昨日は映画好きの友人ふたりと一緒に鑑賞しました。台湾映画の名作、『非情城市』と『クーリンチェ少年殺人事件』です。評判の高い映画ながら、私は2作品とも観のが …

むさしまるのこぼれ話 その二

成田空港に巨大な飛行機が飛び交って久しいというのに、なんで今更?といぶかる人も多いだろうけれども、先週は『三里塚のイカロス』(代島治彦監督)を見てきた。観客はざっと見積もって十人、ほぼ同世代の人々だった。大学紛争以降、狭 …

むさしまるのこぼれ話 その一

先月観た中国映画は不思議な作品だったな。意味があるんだかないんだか、何が言いたいんだかさっぱり分からんのよ。そのくせ、あと後まで、映像ばかりがちらつく。例えば、中国の文革時代の下放されたいわゆるインテリの青年が、山のなか …

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