知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。

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おいしい本が読みたい 第31話 忘れられない人々

名作を要約することはできない、としばしばいわれる。要約したところで、換骨奪胎にすぎない。それと同じように、どうあがいても解説不能な作品というものもある。希望に賭ける心情のあまりの純度の高さに、絶望のあまりの深さに、読み手 …

楽しい映画と美しいオペラ――その63

モーツァルトと音楽の自由――ニコラウス・アーノンクール追悼 指揮者のなかでだれが一番心に残っているか、と問われれば、やはりニコラウス・アーノンクールと答える。彼のつむぎだす音楽は、とにかく刺激的である。クラシック音楽の世 …

おいしい本が読みたい 第30話 歴史の尺度(修正版)

最初に恥を忍んで記す、前言撤回ないし修正、と。前言とは、「歴史の尺度」と題した前回の内容のことだが、末尾にこんな書き方をした。 「自分の一生をものさしとして時代を見る。そういう歴史観も必要だろうと思う」日高のこの一言に触 …

楽しい映画と美しいオペラ――その62

それでも人は生きていく——『恋人たち』の絶望と一条の光 「人間は生まれながらの敗者である」。私の愛する藤沢周平がどこかのエッセイで書いていた言葉である。滋味深い彼の時代小説の底を流れるこの認識は、小津安二郎の映画にも密や …

楽しい映画と美しいオペラ――その61

森鴎外、作家と軍人の狭間で——『鴎外の怪談』にみる大逆事件 先日はじめて文京区にある森鴎外記念館を訪れた。それも他用のついでということで、私にとって鴎外がいかに遠い存在であったかが分かる。鴎外の代表作といわれる『澁江抽齋 …

おいしい本が読みたい 第29話 歴史の尺度

鶴見俊輔が逝った。享年93歳。大学という場所に早々と見切りをつけて、自由な発言をした人だ。鶴見たちの手になる共同研究『転向』には、学生になりたての頃、多くの教えを受けた思いが強い。とりわけ橋川文三の、論理的かつ文学的芳香 …

楽しい映画と美しいオペラ――その60

人間の原罪をみつめる——篠田桃紅の人生哲学 9月20日の日曜日の朝日新聞朝刊に、私に強い印象を与えた老女の著書の広告が大きく出ていた。『一〇三歳になってわかったこと』というタイトルの横で端然と座すその老女の横顔は、まこと …

揺れる国会  15年安保の日々 9

■9月16日 国会の内と外が結束! 地方公聴会のあったこの日も、13時には正門前の桜田門へ続く両側道路、永田町から憲政記念館前の道路の3方向に、座り込みの人々が集まり始め、昼には道路隅は埋まっていきます。集会は13時、1 …

揺れる国会 15年安保の日々 8

■9月14日 国会正門前・並木道路開放再び 主要新聞3紙に全面広告を出し、告知はしていましたが、果たして何人来てくれるのか、いつもながら心配していたのですが、この日も途切れることなく人の波が続き、主催者発表では4万500 …

揺れる国会 15年安保の日々 7

8、9、10と3日間、猛雨に濡れながらの安保違憲法案反対の取り組みでした。10日から、場所は国会正門前へと戻り、スタートの18:30前から人が集まりはじめました。 永田町2番出口を出て、国会を右手に見ながら緩やかな坂を下 …

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