知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。

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楽しい映画と美しいオペラ――その121

残された人生をどう生きるか――マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』 この映画の魅力のひとつは、アイルランドのある島の風土である。タイトルのイニシェリン島という島は存在しない。撮影のほとんどは、アイルランド西部、 …

楽しい映画と美しいオペラ――その120

3つの恋はなぜ挫折をしたのか――オッフェンバック『ホフマン物語』 20年をへだてて新国立劇場の『ホフマン物語』を観た。20年前と同じプロダクションで、幻想と蛍光色の現代美術がない交ぜになった舞台は、いま観ても十分に楽しめ …

水元公園の池畔談議17 防衛費拡大と日米安保条約

ヒゲ: 梅が満開だね。また春がめぐってきた。 メガネ: 季節は間違いなく進んでいくね。 ヒゲ: 春が来るのは嬉しいけど、またひとつ歳を重ねる。 メガネ: うん、春を迎える気持ちは、確かに若い頃と違うなぁ。 ヒゲ: 先日、 …

むさしまるのこぼれ話  その二十三 WANDAからW・A・N・D・Aへ 

この人はどこまで堕ちてゆくのだろうか? 映画を観終わって最初にこう思った。この人とはワンダ、アメリカの主婦の名である。馴染みのない人名なので某百科事典を繙いたら「WANDA(もしくはVANDA)は都市Cracovie(ポ …

楽しい映画と美しいオペラ――その119

ヴェネツィアで華開いたオペラ――カヴァッリの『ラ・カリスト』 日本のオペラ界にも少しずつ地殻変動が生じてきているのか、このところバロックオペラを観る機会が増えてきた。とても嬉しいことだが、今回の上演が埼玉県の川口でのこと …

楽しい映画と美しいオペラ――その118

映画音楽と現代音楽のはざまで――『モリコーネ 映画が恋した音楽家』 映画を観るのに、選択の基準といえば監督である。いまなら、濱口竜介監督の新作が上映されたなら、観てみようとなるかもしれない。成瀬巳喜男監督がもし存命なら、 …

おいしい本が読みたい 第43話 門は開くか?

ある重苦しい雲の垂れこめた日の朝、京城での有名な廓、新町裏小路のとある娼家から、みすぼらしい風采の小説家玄龍がごみごみした路地へ、投げ出されるやうに出て来た。 金史良(キム・サリャン)の小説『天馬』はこんな書き出しで始ま …

楽しい映画と美しいオペラ――その117

魔女の恋と色彩感あふれる古楽――バロックオペラ『アルミード』 ジャン=バティスト・リュリ(1632-87)は、1685年生まれのバッハとヘンデルよりも、50年以上も前に誕生している。その彼が晩年に作曲した『アルミード』が …

SPレコードを聴く夕べ

冬の深まる中で迎えるクリスマスは、音楽を愉しむのに相応しい日。 SPレコードを蓄音機で聞くという赤羽にある青猫書房でのミニコンサートに参加した。蓄音機とSPレコード収集家にして戦争の時代を語る色々なモノの収集家でもある杉 …

楽しい映画と美しいオペラ――その116

時代を映し、時代を超えるオペラたち――この秋上演のオペラ作品 この秋にはオペラをよく観に行った。日にち順に記すと以下のようになる。これだけの本数を観ていながら、まだこのブログにはひとつとして取り上げていない。単純に多忙だ …

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