知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。
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楽しい映画と美しいオペラ

楽しい映画と美しいオペラ――その129

生活のなかの「魔法」――アキ・カウリスマキ『枯れ葉』 映画が終わって階段を降りていたら、誰かが「枯葉」を口ずさんでいる。中年の主人公たちの恋がやっと実って、ふたりが広い公園を去っていく場面に流れていた有名なシャンソンであ …

楽しい映画と美しいオペラ――その128

死と埋葬と祈りと――パオロ・タヴィアーニ『遺灰は語る』 「私はお墓に行く必要はありません。なぜなら、両親はじめ大事な人の遺骨は全部我が家にあるんですから」。あるネット上のセミナーに参加して、こんな話を聞いた。死生学を研究 …

楽しい映画と美しいオペラ――その127

声の饗宴を楽しむ――ボローニャ歌劇場の『ノルマ』 久しぶりに、イタリアオペラを聴いた!という感慨をもった。それもとびきりのベルカントオペラを。このオペラは、ノルマ、アダルジーザ、ポリオーネの3歌手の質が揃わないと、いい舞 …

楽しい映画と美しいオペラ――その126

主役はクレオパトラか?――鈴木優人の『ジュリオ・チェーザレ』 『ジュリオ・チェーザレ(ジュリアス・シーザー)』はヘンデル39歳のときの作品で、17作目のオペラである。ドイツのハレに生まれたヘンデルは、イタリアを経由してロ …

楽しい映画と美しいオペラ――その125

朝鮮人虐殺の深層――森達也『福田村事件』 「あー、なんということだ」。この一言が、観終わった直後の感想だった。罪もない人たちが、子ども含めて、9人虐殺された。殺した人たちも、決して極悪人などではない。隣近所にいる、ごく普 …

楽しい映画と美しいオペラ――その124

人生の苦悩を美しい歌に――チョン・ミョンフン指揮の『オテロ』 チョン・ミョンフンの指揮による『オテロ』は、激しく、また美しく、聴きごたえ十分であった。これほどシンフォニックな魅力に溢れていたのかと、認識を新たにした。演奏 …

楽しい映画と美しいオペラ――その123

晩年の恋と創造力――ヤナーチェク『利口な女狐の物語』 レオシュ・ヤナーチェク(1854-1928)の作品は晩年に傑作が集中している。オペラでいえば、『カーチャ・カバノヴァー』(1921)、『利口な女狐の物語』(1923) …

楽しい映画と美しいオペラ――その122

イタリアアルプスの大自然、そして人生――映画『帰れない山』 映画には、どうしても映画館で観なければいけない作品がある。この映画もそうで、自然、しかも、イタリアアルプスの大自然が舞台だからだ。自然の雄大さ、そして、過酷さは …

楽しい映画と美しいオペラ――その121

残された人生をどう生きるか――マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』 この映画の魅力のひとつは、アイルランドのある島の風土である。タイトルのイニシェリン島という島は存在しない。撮影のほとんどは、アイルランド西部、 …

楽しい映画と美しいオペラ――その120

3つの恋はなぜ挫折をしたのか――オッフェンバック『ホフマン物語』 20年をへだてて新国立劇場の『ホフマン物語』を観た。20年前と同じプロダクションで、幻想と蛍光色の現代美術がない交ぜになった舞台は、いま観ても十分に楽しめ …

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