知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。
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楽しい映画と美しいオペラ

楽しい映画と美しいオペラ――その123

晩年の恋と創造力――ヤナーチェク『利口な女狐の物語』 レオシュ・ヤナーチェク(1854-1928)の作品は晩年に傑作が集中している。オペラでいえば、『カーチャ・カバノヴァー』(1921)、『利口な女狐の物語』(1923) …

楽しい映画と美しいオペラ――その122

イタリアアルプスの大自然、そして人生――映画『帰れない山』 映画には、どうしても映画館で観なければいけない作品がある。この映画もそうで、自然、しかも、イタリアアルプスの大自然が舞台だからだ。自然の雄大さ、そして、過酷さは …

楽しい映画と美しいオペラ――その121

残された人生をどう生きるか――マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』 この映画の魅力のひとつは、アイルランドのある島の風土である。タイトルのイニシェリン島という島は存在しない。撮影のほとんどは、アイルランド西部、 …

楽しい映画と美しいオペラ――その120

3つの恋はなぜ挫折をしたのか――オッフェンバック『ホフマン物語』 20年をへだてて新国立劇場の『ホフマン物語』を観た。20年前と同じプロダクションで、幻想と蛍光色の現代美術がない交ぜになった舞台は、いま観ても十分に楽しめ …

楽しい映画と美しいオペラ――その119

ヴェネツィアで華開いたオペラ――カヴァッリの『ラ・カリスト』 日本のオペラ界にも少しずつ地殻変動が生じてきているのか、このところバロックオペラを観る機会が増えてきた。とても嬉しいことだが、今回の上演が埼玉県の川口でのこと …

楽しい映画と美しいオペラ――その118

映画音楽と現代音楽のはざまで――『モリコーネ 映画が恋した音楽家』 映画を観るのに、選択の基準といえば監督である。いまなら、濱口竜介監督の新作が上映されたなら、観てみようとなるかもしれない。成瀬巳喜男監督がもし存命なら、 …

楽しい映画と美しいオペラ――その117

魔女の恋と色彩感あふれる古楽――バロックオペラ『アルミード』 ジャン=バティスト・リュリ(1632-87)は、1685年生まれのバッハとヘンデルよりも、50年以上も前に誕生している。その彼が晩年に作曲した『アルミード』が …

楽しい映画と美しいオペラ――その116

時代を映し、時代を超えるオペラたち――この秋上演のオペラ作品 この秋にはオペラをよく観に行った。日にち順に記すと以下のようになる。これだけの本数を観ていながら、まだこのブログにはひとつとして取り上げていない。単純に多忙だ …

楽しい映画と美しいオペラ――その115

人生を俯瞰する音楽――シューベルトのピアノ三重奏曲 シューベルトのピアノ三重奏曲を取りあげる演奏会はそんなに多くはない。ある演奏会でたまたまもらったチラシの1枚が、今回のものだった。晩年の3曲が聴ける! しかも奏者は、活 …

楽しい映画と美しいオペラ――その114

愛の本質を問う――『愛と哀しみの果て』(原題『アフリカの日々』) 彼はサファリにも蓄音機を持参した。 3丁の銃と1ヶ月分の食糧。 そしてモーツァルトを。 映画の冒頭、いまは年老いた主人公が、過去を回想する。私は彼女のこの …

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