知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。
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楽しい映画と美しいオペラ

楽しい映画と美しいオペラ――その93

能は600年の伝統オペラか!——坂井同門会の『松風』 新型コロナウイルスのせいで、コンサートも中止続きである。3月1日のヘンデルの『シッラ』(神奈川県立音楽堂)、13日のフィリップ・ジャルスキーのリサイタル(東京オペラシ …

楽しい映画と美しいオペラ――その92

賞に値する作品であるか?——韓国映画『パラサイト 半地下の家族』 韓国映画の『パラサイト』がアカデミー賞の作品賞を獲得した。昨年のカンヌ国際映画祭でのパルムドール受賞と合わせて2冠である。これはめでたいことといわねばなら …

楽しい映画と美しいオペラ――その91

文楽人形は理想の女性像?——谷崎潤一郎『蓼喰う虫』 谷崎潤一郎は文楽の人形になにを託したのだろうか。『蓼喰う虫』は、離婚の危機にある夫婦を描きながら、その背景に文楽を置いている。道頓堀の『心中天の網島』と淡路の『生写(し …

楽しい映画と美しいオペラ――その90

また笑って泣いてしまった——『男はつらいよ お帰り寅さん』 『男はつらいよ お帰り寅さん』ははじめから涙だった。歳とったさくらと博が柴又の団子屋にいる。背景に、50年前、つまり『男はつらいよ』第1作の彼らの姿が映し出され …

楽しい映画と美しいオペラ――その89

愉悦に満ちたオペラのよう——92歳ブロムシュテットの『ハ短調ミサ』 ヘルベルト・ブロムシュテット。スウェーデンの指揮者で当年92歳。彼の指揮するモーツァルトの『ハ短調ミサ』を聴いて、円熟とはなんだろうと考えた。若々しいリ …

楽しい映画と美しいオペラ――その88

安楽死を考える——映画『君がくれたグッドライフ』とNHKスペシャル『彼女は安楽死を選んだ』 仲間が集まり、年に一度の自転車旅行に出かけようとしている。行く先はベルギー。誰かが「今回はどうしてベルギー?」と問いかける。まあ …

楽しい映画と美しいオペラ――その87

家政婦クレオが守った「家」——アルフォンソ・キュアロン『ROMA/ローマ』 幼少期のことを思い出すことがある。小川で魚を釣ったこと。昆虫採集で野山を駆け回ったこと。5月の浜辺で潮干狩りをやったこと。これらの光景は、すべて …

楽しい映画と美しいオペラ――その86

古典芸能継承の光と陰————狂言を伝える『よあけの焚き火』 日本ほど古典芸能が、原初の形で残っている国は珍しいという。能・狂言はその典型だろうし、これらを専門に上演する国立の劇場も存在する。毎月4、5演目は上演され、チケ …

楽しい映画と美しいオペラ――その85

歌と踊り、そして政治と宗教——インド映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』 歌あり、踊りあり、笑いあり、美談あり。とかく楽しいインド映画。この通俗的な流れで鑑賞しても、楽しめることは請け合いである。歌と踊りの迫力は、 …

楽しい映画と美しいオペラ――その84

高雅きわまるカウンターテナー ——ヴァレア・サバドゥス&コンチェルト・ケルン 思いもかけず素晴らしいカウンターテナーに遭遇した。久しぶりに古楽のアンサンブルが聴きたくて、コンチェルト・ケルンのチケットを買ったのだったが、 …

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