知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。
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楽しい映画と美しいオペラ

楽しい映画と美しいオペラ――その63

モーツァルトと音楽の自由――ニコラウス・アーノンクール追悼 指揮者のなかでだれが一番心に残っているか、と問われれば、やはりニコラウス・アーノンクールと答える。彼のつむぎだす音楽は、とにかく刺激的である。クラシック音楽の世 …

楽しい映画と美しいオペラ――その62

それでも人は生きていく——『恋人たち』の絶望と一条の光 「人間は生まれながらの敗者である」。私の愛する藤沢周平がどこかのエッセイで書いていた言葉である。滋味深い彼の時代小説の底を流れるこの認識は、小津安二郎の映画にも密や …

楽しい映画と美しいオペラ――その61

森鴎外、作家と軍人の狭間で——『鴎外の怪談』にみる大逆事件 先日はじめて文京区にある森鴎外記念館を訪れた。それも他用のついでということで、私にとって鴎外がいかに遠い存在であったかが分かる。鴎外の代表作といわれる『澁江抽齋 …

楽しい映画と美しいオペラ――その60

人間の原罪をみつめる——篠田桃紅の人生哲学 9月20日の日曜日の朝日新聞朝刊に、私に強い印象を与えた老女の著書の広告が大きく出ていた。『一〇三歳になってわかったこと』というタイトルの横で端然と座すその老女の横顔は、まこと …

楽しい映画と美しいオペラ――その59

四季のなかに息づく映画——『あん』は自然そのもの 「あんを炊いているときのわたしは、いつも小豆の言葉に耳をすましていました。それは、小豆が見てきた雨の日や晴れの日を、想像することです。どんな風に吹かれて小豆がここまでやっ …

楽しい映画と美しいオペラ――その58

チェーホフとシューベルトの親和性——『雪の轍』は人生の哀歌 94歳の栗本尊子の歌を聴いて以来、音楽表現にも年齢による成熟というものがあることを実感したものだが、いっぽうで、芸術というものは年齢を楽々と超えるものであること …

楽しい映画と美しいオペラ――その57

狂気のヴァリエーション——『セッション』に於ける音楽の魔性 「芸術上の——とくに音楽・絵画という純粋芸術の場合——才能とは病名のことではないかと思ったりする。とりわけ大いなる才能が宿る場合、宿主の魂を高貴にする一方で、宿 …

楽しい映画と美しいオペラ――その56

鳥は老いて宙を舞う——『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 音楽的な感受性が豊かな映画監督は、おおよそ名監督ではないかと思う。ちょっと思い浮かべるだけでも、ベルイマンはバッハやアルビノーニ、ブルックナー …

楽しい映画と美しいオペラ――その55

資本主義は超えられないのか——『グッバイ、レーニン!』の見る夢 アベノミクスのお陰で日本株は上昇の一途である。円をばら撒いているのだから当然その価値は下がる。この円安で、輸出を一手に引き受けている大企業の業績は上がるいっ …

楽しい映画と美しいオペラ――その54

音楽における「成熟」の発見――栗本尊子、94歳の歌声 知人のソプラノ歌手、加藤千春さんが出演するというので、「かながわゴールデンコンサート2014」なるコンサートを聴きに横浜まで出かけた。33回というから連続コンサートと …

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