知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。
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年別アーカイブ: 2020年

むさしまるのこぼれ話 その十一 寂しさと温かさと

目と目が合った、その老人と。ある宴会の席上でのこと、どの席が空いているか、立って眺め渡していたわたしの視界に、一番奥の席の老人の投げる眼差しが飛び込んできた。なにやら意味ありげな、いたずらっぽいといってもよさそうな、その …

楽しい映画と美しいオペラ――その97

心に染み入る天上の響き――リラ・コスモス「夏のライアーコンサート」 じつに4カ月ぶりにライブの演奏会に出かけた。聴衆は10人という小さな音楽会だったが、美しさが凝縮したかのような、心洗われる集いであった。10人しか聴くこ …

水元公園の池畔談議2 保坂世田谷区長頑張れ!

メガネ: 今年は雨が多いねぇ。久しぶりに水元公園に来たよ。まだ梅雨明けではないけれど、とにかく雨は降ってないからね。 ヒゲ: 近くに住んでいるオレも久しぶり。気温も高くなくて、気持ちいいね。ところで、池の畔に咲いているこ …

水元公園の池畔談議1 大竹まことゴールデンラジオ!

ヒゲじい(以下ヒゲ): 鬱陶しい季節だねぇ。でも、梅雨の晴れ間は散歩がいいよ。ここ、水元公園は散歩に最適。都心にこんなに広い公園があるのはホントに助かる。オレはここに近いから、晴れれば必ず来るよ。 メガネじい(以下メガネ …

楽しい映画と美しいオペラ――その96

生命観をめぐる葛藤――ドキュメンタリー映画『フリーソロ』 フリーソロとは、命綱なしに、たったひとりで急峻な岩壁を登るクライミングスタイルのことである。この映画は、難攻不落のヨセミテの岩、エル・キャピタンを、1年以上かけて …

楽しい映画と美しいオペラ――その95

私の愛する二人のヴァイオリニスト――庄司紗矢香とヒラリー・ハーン コンサートにはしばらくのご無沙汰である。それで、録りためてあったビデオを順番に観はじめた。そのなかで、とりわけ感銘を受けたのが、5月10日にNHKのEテレ …

楽しい映画と美しいオペラ――その94

小津安二郎の「紀子三部作」――『晩春』『麦秋』『東京物語』 コロナウイルス禍で、劇場も映画館も閉まっている。大切な楽しみへの窓が閉ざされている以上、家でその代替物を求めるしかない。音楽にせよ、映画にせよ、劇場で観るにしく …

むさしまるのこぼれ話 その十 タンゴは続く、どこまでも

『サタンタンゴ』(監督タル・ベーラ) ぐずつく空、ぬかるんだ地面、寒村の倉庫の薄汚れた壁… そんなモノクロームの映像が、文字どおり延々と、観ている者の感覚マヒを狙うかのように、続いてゆく。上映時間7時間18分。これは、わ …

楽しい映画と美しいオペラ――その93

能は600年の伝統オペラか!——坂井同門会の『松風』 新型コロナウイルスのせいで、コンサートも中止続きである。3月1日のヘンデルの『シッラ』(神奈川県立音楽堂)、13日のフィリップ・ジャルスキーのリサイタル(東京オペラシ …

楽しい映画と美しいオペラ――その92

賞に値する作品であるか?——韓国映画『パラサイト 半地下の家族』 韓国映画の『パラサイト』がアカデミー賞の作品賞を獲得した。昨年のカンヌ国際映画祭でのパルムドール受賞と合わせて2冠である。これはめでたいことといわねばなら …

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