知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。
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年別アーカイブ: 2021年

水元公園の池畔談議10 オリンピックと世論

ヒゲ: ハスの花の盛期は終わっているけど、ここハス池ではまだ花がキレイだね。 メガネ: ここは水元公園の南端になるね。ボクが自転車で帰宅するときは、いつもこの池縁りを通るよ。 ヒゲ: そうか。ここを通って、江戸川に出るわ …

むさしまるのこぼれ話 その十六 揺れる心の『赤と黒』

『ハチドリ』  画面の主人公ウニは中学2年で、ソウルの集合団地に暮らす。家族は父母と兄と姉。一家総出でやりくりする家業の餅屋は典型的な零細企業で暮らしは楽でない。いきおい父親は子供たちに高学歴を期待する。けれども、期待と …

楽しい映画と美しいオペラ――その103

宗教は社会を救えるか?――胡傑監督ドキュメンタリー『麦地沖の歌声』 画面いっぱいに老女の顔が映し出される。日焼けした、深い皺が刻まれた顔。どこかで聴いたような節回しで、低くなにかを歌っている。イギリス民謡か。しかしそうで …

過ぎた春

ノルウェーの作曲家グリークの作品に『過ぎた春』というのがある。  郷愁のようなものを感じるこの曲の旋律を聴いていると、今年の過ぎた春ではなく、昔の春のこと、あれこれが記憶の底からあらわれてくる。30年前にはウグイスの …

水元公園の池畔談議9 ふたたび民意について

メガネ: しばらくここに来ないうちに、季節が何回りもしたような気がするよ。 ヒゲ: 君が姿を見せないうちに、冬は遠くに去り、春も過ぎたね。水元公園はいま、花菖蒲の季節だよ。 メガネ: 紫陽花もキレイだね。 ヒゲ: 季節は …

テクノファシズムへの警告―高木仁三郎さんからのメッセージ

ムラサキツユクサの咲く季節になった。ごく最近探し物をしていて、表紙も欠けた今から39年前もの昔(1982年)のシンポジウム「今、体外受精を問う」の集会資料が出てきた。このシンポを企画・開催したのは、日本で初めての体外受精 …

楽しい映画と美しいオペラ――その102

日本人女性の強さを描く――文楽『生写朝顔話』 4月25日、5月11日までの3回目の緊急事態宣言が東京都に発出された。5月14日の文楽のチケットを買ってあった私は、その時点で観劇を諦めていた。政府と都の新型コロナウイルスに …

むさしまるのこぼれ話 その十五 戦争から戦争へ

『清作の妻』 今、女が手にしている五寸釘の切っ先は、まもなく夫の両眼に突き刺さるだろう。夫は失明し、兵役を免れるだろう。その結果、世間の顰蹙を買いつつも、少なくとも命は長らえるに違いない。出征祝賀会の座を離れて、たまたま …

春の愉しみⅢ お茶とジュースと化粧水

5月も中旬となり、ドクダミの白い花が咲きだした。4,5年程前からこの白い花を摘みホワイトリカーに入れて化粧水代わりに使うようになったが、スッピンのときのほうが多いので毎年余る。 今年は貰い手が現れたのだが、彼女はナント( …

春の愉しみⅡ はじめての緑

顔を出したばかりの頃の柿の若葉は、まだ色も鮮やかで柔らかい。 ビタミンCがレモンの10倍で「仙人の食べ物」だそうだし、ごく短いこの時期だけの初物だしと毎年枝から直接むしって食べている。不味いけれど…。 春近しを告げるフキ …

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