知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。
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年別アーカイブ: 2025年

楽しい映画と美しいオペラ――その146

高校生の純愛がもたらすもの――村山新治『故郷は緑なりき』 村山新治という東映の映画監督を私は知らなかった。すでに2021年に98歳で没しているのだが、彼の映画の大回顧展がラピュタ阿佐ヶ谷ではじまっている。その情報を、監督 …

おいしい本が読みたい 第50話 未完の点描画

未完の点描画 誰にだって衝動買いはある。こちらの欲望が噴きこぼれそうなときに、あなたを待っていましたといわんばかりに、蠱惑的な外装の商品が目に飛びこんでくる。で、気がついたときには胸にそいつを抱きかかえているわけだ。この …

むさしまるのこぼれ話 その三十一 君の名は「モ・クシュラ」

むさしまるのこぼれ話 その三十一 君の名は「モ・クシュラ」                        暗いボクシングジムの一角。サンドバッグに黙々とパンチを打ち続ける女がいる。田舎を飛びだしてきたマギーである。世界チ …

楽しい映画と美しいオペラ――その145

  19歳と79歳の恋物語――ハル・アシュビー『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』 歳の離れた恋人同士というのはもちろん存在する。私の友人にもいて、彼は予備校講師。歳の差30歳をものともせず、教え子と相思相愛と …

水元公園の池畔談議26 トランプにどう対抗するか

メガネ:大寒を過ぎて、本格的な寒さがやってきたね。 ヒゲ:でも、周りの木々をよく見ると、花の蕾がふくらんできて、春も遠くないと思ったりするよ。 メガネ:コブシの蕾はまるで雪をまとっているみたいだ。 ヒゲ:ほんと、季節はめ …

おいしい本が読みたい 第49話 死者、忘るること勿れ

おいしい本が読みたい 第49話 死者、忘るること勿れ 「最も暗い夜においても、私たちが何者であるのかを問う言葉があります。それは、この惑星に住む人々や生き物たちの一人称の視点の中に入り込むように想像するよう促す言葉であり …

楽しい映画と美しいオペラ――その144

アムステルダムの平和と戦争―スティーブ・マックイーン『占領都市』 この映画をつくった人々は、アムステルダムという街を心から愛している。これが、映画を観終わって思った第一の感想である。ナチスに支配された5年間(1940年5 …

戦時下の配給米の味を楽しむ!

戦時下、米は配給制で1人1日4合5尺(400CC)。兵隊さんは6合。身体を酷使する兵隊さんには6合では足りず、いつも空腹だったとか。そのころ食べたという「かめのう」という品種のお米を、Sさんが長野で購入。 この「かめのう …

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