私が気功を習った先生は、書および中国の古代文字である甲骨文字を長く学ばれている。筆名は高木露風(亀鑑(きかん)塾師範)。甲骨文字の「春」の字はいくつかあるのだそうだが、ここでは2つ。お日様の上に草木からなるシンプルな「春」。先生はこの字を、沖縄の草木アダンで作った筆で書いたのだそうだ。

絹の布に書かれたもう少し複雑な「春」もある。

庭に出て、水仙の葉先に目をやれば、その形が甲骨文字で描かれているのとそっくりなことに気づく。これから花を付ける「春蘭」やもう花をつけた「鈴蘭水仙」などの草先もやはりそっくり。

水仙

鈴蘭水仙

よくよく眺めれば梅の枝や花咲かす直前の桜の芽枝も似ている気がしてきた。

梅の枝

 

自然を眺め、愛でつつ、それを文字に写し、残したいにしえの隣国の人たち、そのおだやかで愉し気な姿が瞼に浮かぶ