8市民団体が8課題の公開質問状を共同提出
野党第1党である立憲民主党の党首選の告示は9月7日。9月23日に臨時党大会を開催して新党首が決まる(地方議員と党員、サポータの人は、郵送かネット投票で参加)。

自民党の党首選もあり、こちらはテレビをつければ、連日のように詳細報道がある。そして、11月には衆議院選挙をするのだそうだ。

裏金問題などで、政権交代を望む声は高い。どのような考えの人が、野党第1党の党首になるか知りたいと、まわりの市民運動グループも誘い、公開質問状作成をお願いした。告示の1日前の9月6日、永田町の議員会館に、公開質問状とそれを作成した市民団体の自己紹介文を持ち、秘書さんに渡してきた。

立候補表明済みの枝野・野田・泉さんの国会議員会館の事務所は、人が出払いお留守番の人しかいない。3人はいるはずの秘書が1人のみなど、手薄な感じ。立候補したいと表明するも、20人の推薦人が確定していない江田・吉田さんの部屋の廊下には、15、6人もの記者たちがぺたりと廊下に座り込み待機。議員の部屋からは緊張した雰囲気が流れている。

それでも、「党首選立候補の方に公開質問状をお願いしにきました。9月16日までに回答を」と言うと、まだ未確定ですからとは言わずに、江田さんのところも、吉田さんのところも、秘書さんが受けとってくれた。自民寄りではない市民の声、届くかな?と思いつつ、帰った。

江田・吉田さんの事務所は、議員会館の同じ6階にあり、数十メートルしか離れていない。そして記者の待機は、あきらかに江田さん付近が多かった。しかし、告示日の7日、2人は協定を結び、江田さんは降り、吉田さんが締め切りの11時の30分前に駆け込みで立候補成立ということだった。

9月8日13~14時には、公開質問したグループが、その思いをJR王子駅北口でリレートークで伝えた。その模様は、ユーチューバーの「こばと通信――声を上げる市民」さんがライブ配信!

 

公開質問状

《武器取引反対ネットワーク(NAJAT)》
次期総選挙を前にして、立憲を掲げる野党第一党としてパレスチナの人々の側に立ち、正義を実現する姿勢を鮮明にすべきです。今回の公開質問状に対する回答が、不公正な世界を変えるための起点になるのだという自覚を持って、真摯な対応をされることを望みます

イスラエルによるガザ大虐殺を止めるための制裁などについて
(どちらかに○をつけてください)
1.防衛省によるイスラエル製攻撃型ドローンの輸入検討に 賛成・反対
2.日本イスラエル経済連携協定の共同研究の中止に 賛成・反対
3.日本イスラエル武器・技術に関する秘密情報保護の覚書の破棄に 賛成・反対
4.140カ国以上が行っているパレスチナの国家承認に 賛成・反対
5.国際刑事裁判所(ICC)によるネタニヤフ首相への逮捕状発行に対する米国の妨害を 容認・反対

《STOP改憲・北区の会》
1967年から自民党歴代首相は、安倍政権になるまで、武器輸出をしないを国是とし守ってきました。安倍首相でさえ、殺傷武器は輸出しなかったのに岸田政権は!立憲候補者は?

次期戦闘機の共同開発―あなたの考えに近いものに〇を(複数回答も可)
1,平和憲法に即し、紛争を助長せずの立場から殺傷武器の共同開発に反対
2,安全保障の観点と、開発には莫大な経費もかかることなどから、輸出は必要
3,安全保障環境の深刻さから、次期戦闘機の開発には賛成だが、第3国への輸出は認めない
4,共同開発後の第3国輸出に関する歯止めは現状では不十分なので、更に歯止めを強める
5,戦闘機開発経費の高騰や物価高騰による暮らし圧迫などにより、共同開発参加見直しはありうる

《 残そう保険証!緊急アクション》
マイナカードの取得は任意です。義務ではないので勘違いしないでください。12月2日過ぎても保険証は使えますよ。河野太郎さんに騙されないで大事にしてください。そして皆で声を挙げましょう!

マイナ保険証とマイナンバーカード
○か×でお答えください。
1. 健康保険証を存続する考えはありますか。( )
2. 健康保険証とマイナ保険証を併用しますか。( )
3. 健康保険証廃止法案を出しますか。( )
4. 本人確認の手段としてマイナンバーカードだけにするのではなく、マイナンバーカードによらない他の方法を残す。( )
5. マイナンバー制度の抜本的な見直しを考えますか( )

《放射能汚染水放出に反対する北区の会》
岸田政権は、自民党の原発政策を、「脱炭素」を持ちだし180度ひっくり返してしまいました。立憲は綱領に「原発ゼロを1日も早く実現」とあり期待しますが、立候補された方の対応は?

原子力政策についてお尋ねします。(あなたの考えに近いものに〇をつけてください)
1.原発について
・GX法を見直して、40年たった原発は廃炉とし、順次原発をやめていく
・GX法を活かし、規制委員会がOKした原発は動かし、新設についても進めていく
2.ALPS処理水について
・海洋汚染が心配だから、海洋放出は中止して他の方法を考える
・安全だと思うから、今のまま放出を続ける
3.使用済み核燃料の再処理計画は、
・断念する   ・継続する

《憲法を生かす会》
自民党と岸田首相は、裏金問題や大軍拡などで支持がものすごく落ちたため、自民党の総裁選で目先を変えれば有権者は自民党の誤りを忘れるのではないかと、派手に総裁選を打ち上げ、「すぐにも解散総選挙」などと言って、そのドサクサに昔の「安倍改憲4項目案」をまたも持ち出してきました

憲法改正問題について――*AとBは複数回答可
A.衆院憲法審査会で多数意見となっている「緊急事態条項」としての国会議員の任期延長論には、
1.反対  2.問題が多く議論が必要  3.ある程度認めてもいい
4.その他(                 )
B.自民党作業チームが発表した「緊急政令」規程を入れることには、
1.反対  2.問題が多く議論が必要  3.ある程度認めてもいい
4.その他(                 )
C.岸田首相や総裁選候補者らの「憲法改正」、「自衛隊明記」、「9条2項削除」等の主張に、
1.反対  2.十分考慮すべき  3.自衛権、自衛隊の扱いを検討  4.与野党合意をめざす
D.憲法と自公政権の安全保障政策について代表選と次の総選挙で訴えたいこと
(                  )

《難民・移民フェスねりまKeepers》
練馬には、仮放免で、仕事もできない、健康保険もない、移動の制限もあるなかで、支援団体に支えられながら、どうにか暮らしている難民の方が、子供を含めて29人おられます。仮放免に置かれている難民の方へのカンパなどの支援をはじめ、これらの現状をスタンディングを通して市民に伝えることを続けていきます。合言葉はいっしょに暮らそうです。

出入国管理及び難民認定法
難民認定制度、入管収容は国際法違反であり、国連の人権条約機関から法「改正前」も「改正後」も国際人権基準に則って見直すことを日本政府は求められています。あなたが見直すべきと思われるものがあれば〇をつけてください

*長期収容   *強制送還   *審査制度   *難民申請3回打ち切り
*監理人制度  *育成就労制度 *永住権制度の厳格化
*日本で生まれ日本で育ったのに、在留資格がなく将来の夢も描けない、仮放免の子供達への在留許可
*その他(                )

《島じまスタンディング》
美しい島々に信じられないような基地建設が、人々をだましながら行われています。島を戦場にするな!という島の人の願いにどう答えるのかを、この機会に立憲の候補者の方は聞かせてください

琉球弧の軍備強化(南西シフト)について
A:琉球弧(南西諸島)を最前線として軍備強化することについて
1.賛成 2.反対 3.その他  (理由など:                   )
B:琉球弧(南西諸島)の住民が、「島々を戦場にするな、沖縄戦をくり返すな」と訴えています。こうした 住民の声にどう応えたいと思いますか?
(                                       )
C:現在の日米安保体制について(複数に◯可)
1.安全保障に貢献している 2.軍事緊張を高めている 3.日本の民主主義や地方自治の阻害要因になっている
4.その他(                             )

《平和をつくり出す宗教者ネット》
質問作成は、宗教者ネットですが、8日の王子駅街宣の発言は、17年間、沖縄に通い、戦跡を探索してきたという杉山英一さん。ジャングル状態のなかを進み見つけた防空壕のような場所には、大勢の人の歯が79年後も残っていたなど、自分の目でみた光景を報告。この場所を基地建設に使うこと、これはイデオロギーの問題ではないです、と。

沖縄遺骨入り土砂採取
日本政府は、辺野古新基地建設工事用の土砂確保のため、2021年1月、糸満市と八重瀬町から約3200万立法メートルを調達するとの工事設計変更申請を沖縄県に提出しました。そして、遺族をはじめ多くの人々の反対にもかかわらず、基地建設の土砂採取の候補地から今も沖縄本島南部を外そうとしません。沖縄南部から戦没者の遺骨交じりの土砂採取についてあなたの見解を教えてください。
1,本島南部の土砂採取に反対
2,その他(                                )

【各団体プロフィール】

武器取引反対ネットワーク(NAJAT)
2015年12月に市民、研究者、アーティスト等により「武器輸出反対ネットワーク」として発足したが、武器輸入にも反対するため、現在の名称に。集会、学習会、ロビイング、署名や省庁・企業へのアクション、不買運動などを展開。この間、「安保3文書」以降の戦争準備や殺傷武器の輸出解禁、ガザ大虐殺に反対する取り組みに注力してきた。
STOP改憲・北区の会
2022年12月発足。衆議院選挙で改憲発議可能な3分の2議席を改憲派が占めたことに危機感をもち発足。月1街宣を基本に、参議院選挙で東京12区候補者への公開質問状、パレスチナ問題での区議会陳情、5・3憲法デモ(十条駐屯地~王子)呼びかけなど。武器輸出問題では、23年7月より、国会議員へのロビー行動、議員会館前や官邸前などで15回の抗議行動を他の3団体と共に行ってきた。
残そう保険証!緊急アクション
2022年10月、河野デジタル大臣の「2024年秋に現在の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化する」との発表に驚き、マイナンバーカードを持っていない・持てない人は医療を受ける権利が奪われ、「国民皆保険制度」の崩壊になると危惧。保険証を使い続けたいと思い会を立ち上げ、集会や月例街宣など様々な取り組みを行っている。
放射能汚染水放出に反対する北区の会
2021年4月、菅政権が2年後の処理汚染水海洋放出を決定した3日後から月1回の街宣を開始。汚染水や原発の問題を、スピーチ、チラシ、ポスターなどで訴えてきた。北区のメンバーを中心に他区の市民も加わっている。衆・参の総選挙時や、区議にも、原発や汚染水についての公開アンケートを実施してきた。海洋放出が迫る昨年8月には、赤羽、池袋、そして官邸前でも150人規模の集会開催。
憲法を生かす会
1997年、憲法の平和主義や基本的人権、主権在民などの原則を守り、現実の政治や社会、生活のなかで生かすことを目的に、市民、学者、政治家などの超党派の運動・キャンペーン団体として発足。その時々の立法や外交政策、出来事などに対し憲法の観点から意見・声明を発し、さまざまな分野で行動する市民団体とも共同で5・3や11・3の「憲法集会」や各種の集会・パレードなどを行ってきた。全国各地に同じ趣旨・目的での「憲法を生かす会」が活動中。
難民・移民フェスねりまKeepers
2023年改正入管法審議入りに危機感を感じた、市民運動の経験のない1人の女性の呼びかけに、練馬の市民が賛同し、グループを結成した。改正入管法審議入りが前から継続している毎月8日の駅前スタンディング、難民のための募金活動、練馬区への要請行動、仮放免の現状を伝える映画の上映会、「難民・移民フェス」への支援協力などを行っている。
島じまスタンディング
大国の覇権争いによる暴力が、琉球弧の島じまに向けられている。戦争態勢の最前線に仕立て上げられようとしている島じまのことを、その自然や歴史や文化も含めて多くの人に伝えたいと、与那国島・石垣島・宮古島・沖縄島・奄美大島・馬毛島・九州の7つのプラカードを掲げ、2017年6月から埼玉県内や国会周辺などでスタンディングを始める。
平和をつくり出す宗教者ネット
「武力で平和はつくれない」の立場で、キリスト者、仏教者らがそれぞれの教派、宗派を超えて大同団結し行動をすることで、国内外に平和といのりを広げていくことを目的に2002年4月に発足。イラク戦争、安保法制反対、5・3憲法集会、総がかり行動など一連の共同行動の実行委参加。独自の行動としては、月例で、内閣府への要請書提出、国会院内集会と国会議員会館前での平和祈念行動、渋谷ハチ公前広場での連続祈念行動など。

保守ではない市民たちの問いに是非アンサーを! と思いつつ、回答指定日の16日を待ちます。
(回答を貰えたら、レポートを続けます!)