
蓄音機コンサートのお知らせ
久しぶりに蓄音機コンサートに行き、100年前の音色を聴く。
場所は赤羽ララガーデン通りから少し外れた場所にある青猫書房。主宰は、戦前・戦中の出来事から武器弾薬までよろず戦争話題に詳しく、蓄音機やSPレコード収集家でもある杉山英一さん。
滝廉太郎と古賀政男の曲、東海林太郎の声、タンゴにシャンソン、ヴァイオリンに民謡、さらに文部省(当時)推薦の日独伊三国同盟記念して発売のドイツ国歌とナチス党歌(演奏はベルリン・フィル)など、流れた楽曲も多彩でSPレコードの音色も多彩だった。
「昭和9年からレコードの検閲が始まりました」
「ヴァイオリストの諏訪根自子さんの写真を持って戦地に行く人もいたそうです」
「東海林太郎はマルキストでしたが、歌手になってから中華料理店も開いたのですが、客は主義者と特高だけで、店はつぶれたそうです」
「グレン・ミラーのムーンライトセレナーデは、東条英機が、けしからん!と怒って発売禁止になりました」
などのコメントを聞きつつの90分。

SPレコードを持ち解説する杉山さん
「電気ではなく空気の振動で音を出します。針は竹です。今でもこれを制作されているところがあるのです」
杉山さんの解説は明快そのもの。
「あたらしい戦前」と言われる日々を過ごす私たち。かつて戦争へと向かい、やがてその渦中を生きた人びとが聞いた音色を味わう体験は、ヘイト/フェイク溢れる参院選のさなかだけに、ずっしりと重いものがあった。



