メガネ:久しぶりに晴れたね。ここ何日間か、冬の寒さだった。
ヒゲ:水元公園でもやっと桜がゆっくり見られるね。
メガネ:ボクもしばらく来るのを控えてたけど、今日は人出も多い。
ヒゲ:それにしても、季節は間違いなく巡ってくるね。
メガネ:そうだね。先週はウグイスの鳴き声を聴いたし、江戸川ではツバメの姿を見たよ。
ヒゲ:年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず、だね。
メガネ:うーん、その感じ、この歳になると心にこたえるよ。
ヒゲ:友人・知人が亡くなっていく。

メガネ:感傷はさておいて、トランプの話だよ。
ヒゲ:9日には24%の関税が発効する。
メガネ:自由貿易体制を破壊しようとしているみたいだ。
ヒゲ:この政策はトランプの思いつきなんだろうか?
メガネ:トランプの任期が過ぎれば、またガラリと変わるという見方もあるね。
ヒゲ:オレも最初はそう思ってたけど、結構周到に考えられているのではないかと考えはじめているよ。
メガネ:え、どういうこと?

ヒゲ:トランプのブレーン、オレン・キャスのインタビューを読んだんだ。4月4日朝日新聞掲載のね。彼はもうトランプ後を見据えている。
メガネ:そこまで長期的な視野で?
ヒゲ:トランプ自身のことは分からないけど、周囲には優秀なブレーンがいることは分かったよ。
メガネ: MAGA(米国を再び偉大に)運動や妊娠中絶反対、宗教右派ばかりではないということだね。
ヒゲ:そう、現状認識も、マイケル・サンデルに近いものがある。
メガネ:ホントかなぁ。

ヒゲ:経済の、新自由主義の負の側面を正視している点でね。
メガネ:アメリカの製造業が壊滅状態にある、ということ?
ヒゲ:それによって、白人の中間層は雇用を奪われ、労働の尊厳を失った。さらにキャスは言う、格差の拡大や地域コミュニティーの弱体化について。
メガネ:うーん、そんなブレーンが存在するとは思わなかったな。
ヒゲ:現状認識がサンデルやピケティに近いとしても、それをどう解決していくか、だよ。
メガネ:関税を上げることが解決になるとは思わないけどね。
ヒゲ:関税はむしろ、発展途上国が自国の産業を守るためにあるんだからね。

ヒゲ:とはいえキャスは、市場は手段に過ぎないとも言って、こうも発言している。「いくら株価が高く、シリコンバレーが繁栄しても、家族やコミュニティーが弱くなっては意味がありません」
メガネ:真っ当な意見だね。
ヒゲ:自分たちこそ「真正の保守」であり、パラダイムを変革する第一歩がトランプだとも言っている。
メガネ:トランプの政策を慎重に見る必要がある、ということがよく分かったよ。
ヒゲ:キャスはまだ41歳。オレたちにも複眼的な視点が必要だね。

2025年4月6日 ワーニャじいさん