メガネ:水元公園では例年どおり菖蒲祭りが始まってるね。
ヒゲ:花菖蒲が満開だけど、どうも今年は華やかさに欠けるなぁ。
メガネ:そういえば、花をつけていない株も目立つね。
ヒゲ:花菖蒲は多年草で、毎年美しく咲かせるには、それなりの手当が必要なんだろう。
メガネ:ここではその努力はきちんとやってるはずだけど。それでもなお、相手は自然だからね。

ヒゲ:6月4日は、天安門事件のあった日だよ。
メガネ:そうか、1989年だったから、もう37年も経ってしまった。
ヒゲ:1989年は、色んな出来事があった年だねぇ。
メガネ:1月7日に昭和が終わり、11月9日にはベルリンの壁が崩壊した。
ヒゲ:キミはまだ会社員だったね。
メガネ:もちろん。社内は経営危機で揺れていたよ。でも天安門事件には激震が走った。

ヒゲ:改革を指導する胡耀邦の死が引き金だった。彼のもとで中国に新しい社会主義が生まれつつあると、期待してたのに。
メガネ:犠牲者は数百人から数千人とはっきりしないけど、改革を求める若者を軍が非情に弾圧した事実は、中国の歴史に汚点を残している。
ヒゲ:この事件は、自由を求めるそれからの運動に極めて大きな影響を及ぼしたね。

メガネ:香港では、事件の翌年から、毎年6月4日には追悼集会が開かれた。
ヒゲ:ああ、ビクトリア公園の「ろうそく追悼集会」だ。10数万人もの人たちのろうそくの火が、夜の公園を埋め尽くした。
メガネ:それはボクもテレビで見たよ。感動的な光景だった。
ヒゲ:でも、2020年には「香港国家安全維持法(国安法)」が施行されて、状況が一変した。1997年の香港返還以降維持されてきた「一国二制度」が有名無実となったね。
メガネ:集会を主催したメンバーの多くが逮捕された。香港の民主主義は死滅したと思ったよ。中国の圧力だね。

ヒゲ:いま、天安門事件追悼の中心は台湾に移っている。
メガネ:香港の「ろうそく追悼集会」を引き継いでいる?
ヒゲ:もちろん。香港から台湾に逃れた人たちも多数参加しているようだよ。
メガネ:台湾の人たちにとって、香港の民主主義の末路は、それこそ人ごとではないだろうね。
ヒゲ:天安門事件は、単に過去の出来事ではないよ。我々が「台湾問題」を考えるうえでもね。

2026年6月16日 ワーニャじいさん