ヒゲ:水元公園には圃場があることを知っている?
メガネ:圃場?
ヒゲ:そう、木の苗を育てる場所。
メガネ:どの辺にある?
ヒゲ:公園の北の外れあたりかな。
メガネ:木を育てて、公園内の樹木を更新するのか。
ヒゲ:水元公園内だけじゃなく、他の都立公園や街路樹なんかも対象らしい。
メガネ:それは貴重な働きだね。
ヒゲ:現在東京都の圃場は、ここと、府中市・小金井市にまたがる武蔵野公園の2箇所とか。
メガネ:では、あとでその圃場を見ていくことにしよう。

メガネ:ところで、この13日に、プーチン大統領が択捉島を訪問したとか。
ヒゲ:彼ははじめての訪問らしいね。
メガネ:日本政府は厳重な抗議をしたようだけど、なんでプーチンの訪問が問題になるの?
ヒゲ:日本政府は、択捉島までが日本の領土だという認識をもっている。
メガネ:現在はロシア人が暮らしているね。
ヒゲ:それは不当占拠だと日本は言い、ロシアは自国の領土だと主張している。戦後長らく続いている「北方領土問題」だね。

ヒゲ:そもそも、北方4島(歯舞諸島、色丹島、国後島、択捉島)をソ連が占領したのは、1945年8月28日から9月5日の間。
メガネ:日本は8月15日に降伏しているのに?
ヒゲ:正式な終戦は9月2日、つまり降伏文書調印の日ではあるけどね。
メガネ:それにしてもソ連は、8月9日に参戦して9月2日までの短い間に、南樺太から千島列島、北方4島まで占領してしまった。

メガネ:1952年のサンフランシスコ平和条約で、日本は南樺太と千島列島を放棄すると宣言している。この条約にソ連は調印してないけどね。
ヒゲ:問題は、北方4島が千島列島に含まれるか否か、なんだ。
メガネ:日本政府は、その4島は元々日本の領土で、千島列島には含まれない、という考え方だね。
ヒゲ:歴史を追ってみて、オレもそう思うよ。
メガネ:ほう、珍しく政府と考えが一致したね。
ヒゲ:以下に、領土問題に限って日露の歴史を辿ってみよう。
1845年日露和親条約。択捉島までが日本。樺太は日露混住。
1875年ペテルブルク条約。千島列島(択捉島以南は含まず)は日本、樺太はロシア。
1905年ポーツマス条約。日露戦争の結果、南樺太が日本領になる。そしてこの条約以降、日本とロシア(ソ連を含む)の間で正式な平和条約は結ばれていない。1956年に日ソ共同宣言が出されて国交は回復したけど、領土問題は棚上げのままだよ。

メガネ:なるほど、近世の開国以来、ロシアも、択捉島までは日本の領土と認めてきたわけだ。
ヒゲ:オレがそのことを実感したのは、司馬遼太郎の『菜の花の沖』を読んだからかな。
メガネ:ああ、江戸時代の廻船商人高田屋嘉兵衛の一代記だ。
ヒゲ:この小説は司馬さんの最高傑作だと思うけど、択捉島の開拓についても詳細な記述がある。オレはその苦難の歴史に触れて、はじめて北方領土問題について考えを巡らすことになった。択捉島までは日本領土だろうと。
メガネ:北方4島から追い出された人々が、どのようにして故郷に帰ることができるか、先は見えないけれど、正当性は強く主張すべきだね。

2026年8月20日 ワーニャじいさん