ヒゲ: 梅が満開だね。
メガネ: ここの梅は遅咲きかな。市川の里見公園の梅はとっくに満開だったよ。
ヒゲ: そうか。梅にも個性がある。
メガネ: 里見公園には河津桜が何本もあるんだけど、それらとここの梅は咲き方が似ている。
ヒゲ: 開花のタイミングとか、満開の時期とか?
メガネ: そうそう。ボクはこの季節になると、河津桜と梅をいつも比較して見ているよ。
ヒゲ: このベンチに座っていると、梅の香りが漂ってくるね。
メガネ: いい季節だねぇ。

ヒゲ: この平和に浸っていると、ウクライナの悲劇が嘘のように思える。
メガネ: 21世紀の時代に、あんなむき出しの侵略が行われるなんてね。プーチン氏は狂っているとしか思えないよ。
ヒゲ: いや、そうでもない。プーチン氏は十分考えた上で行動したんじゃないかな。
メガネ: ウクライナ支配が成功したあとのことを考えても、彼にいいことなんてあるとは思えないけど。
ヒゲ: 1991年のソ連崩壊以来、旧ソ連の12カ国を除いて、すべてのワルシャワ条約機構加盟国がNATOに取りこまれた。西側はロシアを包囲しつつあると、プーチン氏の腹は煮えくりかえっているというよ。
メガネ: 旧ソ連のバルト3国もNATOに加盟したしね。
ヒゲ: そんな状況下、旧ソ連の大国ウクライナが西寄りの姿勢を見せている。ウクライナはロシアにとって格別の国らしいよ。
メガネ: というと?
ヒゲ: ウクライナは、ロシア正教の発祥の地という。つまり、ロシアの精神の源泉はウクライナにある。
メガネ: そんな大事なウクライナが西側に行こうとしている、許せない、という訳か。
ヒゲ: 地政学的に大事な国というのはもちろんだよ。そして、プーチン氏の考えは、多くのロシア人の考えに近いということだ。
メガネ: うーん、それは根が深いなぁ。
ヒゲ: もちろん、そうだからといって、ロシアの侵略は正当化できるものではない。

メガネ: それと心配なのは、闇雲な防衛論議だね。
ヒゲ: まったく。アメリカとの「核共有」だとかね。
メガネ: 防衛には核を持たなくてはダメだという意見も噴出している。
ヒゲ: 防衛費のGDP比2%論も容易に出てきそうだね。
メガネ: 核兵器を持つことの恐ろしさを認識しているとは思えない。プーチン氏のような人間が核のボタンを握っているんだから。
ヒゲ: 日本国憲法第9条を全面に押し出す。そして、他国を攻撃できるような武器は持たない。これしか平和を守る道はないよ。

2022年3月11日 ワーニャじいさん