知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。
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楽しい映画と美しいオペラ

楽しい映画と美しいオペラ――その144

アムステルダムの平和と戦争―スティーブ・マックイーン『占領都市』 この映画をつくった人々は、アムステルダムという街を心から愛している。これが、映画を観終わって思った第一の感想である。ナチスに支配された5年間(1940年5 …

楽しい映画と美しいオペラ――その143

2024年を締めくくる珠玉の音楽 『ウィリアム・テル』『皇帝ティートの慈悲』とふたりの名ヴァイオリニスト 「子どもたち、子孫のためにも、抵抗を止めるわけにはいかない。彼らの自由を守るために」。まるで、ロシアの侵略に抵抗す …

楽しい映画と美しいオペラ――その142

詩とは何か、ネルーダは語る――マッシモ・トロイージ主演・脚本『イル・ポスティーノ』 世界の、おそらく最長老の指揮者、ヘルベルト・ブロムシュテットは、97歳の誕生日を、オーストリアの聖フローリアン修道院で迎えた。2024年 …

楽しい映画と美しいオペラ――その141

感情を揺さぶる、香り立つ情感――成瀬巳喜夫『乱れる』 いい映画は、テレビの小さな画面からでも、情感が溢れ出てくるものだと、改めて実感した。録りためてあった、成瀬巳喜夫監督の『乱れる』を改めて観たときに覚えた感慨である。そ …

楽しい映画と美しいオペラ――その140

パレスチナ・イスラエルの平和を求めて――佐藤真『エドワード・サイード OUT OF PLACE』 レバノン南部が戦火にさらされている。イスラエルの、シーア派ヒズボラ討滅作戦である。ヒズボラの背後にいるイランがイスラエルに …

楽しい映画と美しいオペラ――その139

奇跡のコミュニティ――佐井大紀『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』 「イエスの方舟」。この名称は、私の心のどこかに引っかかるものがあった。それで、この映画が上映されていることを知り、何十年も前の記憶をたどる意味 …

楽しい映画と美しいオペラ――その138

原題はLa chimera(幻想) ――アリーチェ・ロルヴァケル『墓泥棒と失われた女神』 モンテヴェルディ『オルフェオ』のプロローグの音楽が鳴り響くなかで物語ははじまる。列車のなかで眠りこける若い男。上下のスーツだが、す …

楽しい映画と美しいオペラ――その137

「真実」の断片で判断してはならない――イルケル・チャタク『ありふれた教室』 ドイツの中学校の教室が舞台のひとつである。日本の学校と異なるのは、生徒たちが多様だということ。アジア、アフリカ、中近東など、ヨーロッパ系ではない …

楽しい映画と美しいオペラ――その136

投げかけられた重い問い――濱口竜介『悪は存在しない』 冒頭、深い森の樹々が映し出される。森のなかを歩く人が仰ぎ見るであろう風景が、延々と。そして、一組の父娘が、この森を歩く。手をつないで、また、父が娘を背負うなどしながら …

楽しい映画と美しいオペラ――その135

原爆投下はなぜ防げなかったのか――クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』 強烈な光と、それに続いてもくもくとわき上がるキノコ雲。大画面は不気味にうごめき、会場を揺さぶる大音響。1945年7月16日、アメリカは南部ニ …

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