知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。

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楽しい映画と美しいオペラ――その134

水が語る人間の歴史、そして未来――坂本龍一『TIME』 薄明かりの照明のもと、舞台には一面に水がひかれている。かすかな水の音。ぽとりぽとりと、雨が滴る音。静寂そのものの舞台は、深い森のなかなのか。 水の音は、この作品の作 …

おいしい本が読みたい 第46話 旅する物語の物語

友人の熱心なすすめで読みはじめた、ブルガーコフ(1891~1940)の『巨匠とマルガリータ』(1929~40にかけて執筆)だった。これがまた期待をはるかに超えるおもしろさ。現代ロシア(というかソビエト連邦)に得体のしれな …

楽しい映画と美しいオペラ――その133

信仰は革命に抗しえたか?――プーランク『カルメル会修道女の対話』 1794年7月17日、16人のカルメル会修道女が断頭台の露と消えた。このオペラは、その歴史的事実をテーマとしている。主人公は侯爵令嬢のブランシュで、彼女は …

もう誰も戦死しない国を続けるために――衆院予算案採決抗議!

21年の衆議院選挙で、与党が3分の2議席を確保したことで、憲法が危ないのでは?と「放射能汚染水放出に反対する北区の会」のメンバーと「STOP改憲・北区の会」も結成。毎月第4日曜日に街宣を始めた。 22年12月16日、岸田 …

楽しい映画と美しいオペラ――その132

繊細で絶妙なヘテロフォニー――能『松風』再び 橋掛りの奥の方から、対話を交わしているような謡の声が聴こえる。松風・村雨姉妹の登場である。彼女たちは汐汲みの帰りだが、まだ姿は見えない。微妙に重なりあうふたりの声。私の待ち望 …

鳥聲春

雪の日、庭のピラカンサの赤い実めがけ、ムクドリ?が集団で訪れ、みるみるうちに食べ尽くし去っていった。鳥たちは、ピラカンサの木だけでなく、傍の電線と後方の柿の木にまでびっしりと留まっていて、その数の多さにはただただ驚かされ …

楽しい映画と美しいオペラ――その131

生きること、喜びと哀しみと――ヴィム・ヴェンダース『PERFECT DAYS』 この映画の最後のシーン。役所広司扮する平山の、トイレ清掃車を運転する顔がアップで映し出される。それも何分間かの長いカットである。笑っているよ …

むさしまるのこぼれ話 その二十  風貌…

むさしまるのこぼれ話 その二十  風貌… 『阿賀に生きる』(佐藤真監督、1992年)は、阿賀野川流域の農村で暮らす三組の老夫婦の日常生活を中心に追ったドキュメンタリーである。長谷川夫妻は農業、遠藤夫妻は船大工、そして加藤 …

楽しい映画と美しいオペラ――その130

歌で満たされたコンサート――プレトニョフ指揮の北欧音楽 ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク。北欧の国々は私の興味を惹きつけてやまない。人々の幸福度を調べると常に上位に位置するし、教育の先進性の観点からも注 …

フォーラムをめぐる人々-大内秀明先生ご逝去

  2024年1月9日、知と文明のフォーラムの顧問でもあります大内秀明先生が逝去されました。享年91歳。謹んでお悔やみ申し上げます。 大内先生はマルクス経済学の研究でご著名ですが、いっぽう宮沢賢治とウィリアム・ …

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