年別アーカイブ: 2006年
北沢方邦の伊豆高原日記【17】
2006年12月18日 北沢方邦の伊豆高原日記
雑木類の葉はほとんど落ちたが、それでもまだ黄色や橙色の葉をまとって冬に頑強に抵抗する樹々がある。風が吹くと落葉吹雪で、空一面に枯葉が舞うのは壮観だ。ヴィラ・マーヤの通路も枯葉でおおわれてしまったが、冬特有の強風が吹けば、 …
楽しい映画と美しいオペラ―その2
2006年12月13日 楽しい映画と美しいオペラ
永遠は存在しないか―アーノンクールとポネルの『コシ・ファン・トゥッテ』 先日、オペラ好きの友人から連絡が入った。新しいDVDを入手したので観に来ないかとのこと。『コシ・ファン・トゥッテ』、しかもアーノンクールとポネル …
おいしい本が読みたい●第三話 作家と出会う人々
2006年12月10日 おいしい本が読みたい
おいしい本が読みたい●第三話 作家と出会う人々 映画『サンチャゴに雨が降る』の背景を知りたいと思い、ネルーダの自伝と一緒に図書館から借りたのが『精霊たちの家』だった。といってもアジェンデ政権を崩壊させる国内外の政治的、 …
第4回セミナー 2006年11月25・26日
2006年11月25日 活動報告
「野生の思考――西アフリカの音の文化/北米先住民ホピ、ナバホの宇宙論」 講師:杜こなて、青木やよひ、北沢方邦 初日は、作曲家杜こなて講師による西アフリカの音の文化について、映像と音響を駆使した、明解な語り口のレクチャーが …
楽しい映画と美しいオペラ―その1
2006年11月15日 楽しい映画と美しいオペラ
私は鳥になってしまった――『wataridori』に魅せられる 先日、ひさしぶりに近所の公園まで散歩した。いわゆる谷津を公園化したところで、南北に細長い池がある。そこにはカモが群れをなしていて、もう渡りの季節なのかと、 …
北沢方邦の伊豆高原日記【16】
2006年11月12日 北沢方邦の伊豆高原日記
ここ数日の冷え込みで、落葉の舞がひときわ目立つようになった。海洋性気候で寒暖の差が少ないこの地方では、紅葉はあまり美しくない。そのなかで、ハゼやウルシなどの紅色の葉が、あざやかな点景となっている。今日は雨となり、薄い多色 …
おいしい本が読みたい●第二話 南アメリカを旅するには
2006年11月7日 おいしい本が読みたい
おいしい本が読みたい●第二話 南アメリカを旅するには 日本の対蹠地である南アメリカはかぎりなく遙かな地だ。でも、太古の昔、ベーリンジアを渡ったモンゴロイドが今も暮らしていると思うと、そして写真で見る日焼けした人々 …
北沢方邦の伊豆高原日記【15】
2006年11月4日 北沢方邦の伊豆高原日記
柿の葉が橙色に染まり、橡や楢もかすかに色づきはじめた。澄んだ空のあちらこちらにモズの高鳴きがこだまし、中国語に似たイソヒヨドリのなめらかな音節が遠くにひびく。イソヒヨドリは伊東市の市の鳥となっていて、地元ではアカハラとい …
北沢方邦の伊豆高原日記【14】
2006年10月18日 北沢方邦の伊豆高原日記
南に傾いた陽射しが室内にも当るこの季節、いつものように、夏のあいだ外に出していた観葉植物をとりこんだ。そのひとつにカネタタキが付いていたらしく、夜の灯のもとで鳴きはじめた。近くで聴くと、コオロギより小さな体から出るとも思 …
おいしい本が読みたい●第一話 冒険小説はお好き?
2006年10月2日 おいしい本が読みたい
おいしい本が読みたい●第一話 冒険小説はお好き? 通説によれば、十六世紀のマゼランが企てた世界周航により、(西洋近代人にとって)世界はそれまでの平面から丸く閉じた球体となった。しかし、閉じたのはあくまで東西の横ラインで …




