年別アーカイブ: 2018年
むさしまるのこぼれ話 その八 台北の青い空
2018年12月16日 むさしまるのこぼれ話
台湾の映画監督侯孝賢(ホー・シャオシェン)の作品中でいちばんのお勧めは、と問われたら、ためらうことなく「非情城市」と答える。今まで観た台湾映画のなかでは屈指のものだ。けれども好きな昨品は、と聞かれたら、たぶん「戀々風塵」 …
楽しい映画と美しいオペラ――その82
2018年12月16日 楽しい映画と美しいオペラ
ヴェルディの「新しい喜劇」——カルロ・リッツィ指揮『ファルスタッフ』 構築的で硬質な、ヴェルディ特有のオーケストラが会場に響きわたる。最初の音を聴いただけで、これは! と思う。緩急自在で重厚、さらに響きに奥行きが感じられ …
おいしい本が読みたい 第33話 これからの、わたくしの、人生は…
2018年12月12日 おいしい本が読みたい
どうしてこんな面白い物語を読まずに積んでおいたのだろう。読み終わって、最初にこみあげてきた気持ちがこれだ。奥付は2008年10月だから、手に入れたのは今から10年前のこと。白状すれば、一度読み始めたのだが、たちまち挫折し …
楽しい映画と美しいオペラ――その81
2018年10月23日 楽しい映画と美しいオペラ
「事件」となった上映会——70mm版『2001年宇宙の旅』 10月13日、京橋の国立映画アーカイブ(旧東京国立近代美術館フィルムセンター)に着いたのは朝7時過ぎ。ところが、館前にはすでに長蛇の列。なんと147番目だった。 …
むさしまるのこぼれ話 その七 青春の門(モン)
2018年10月7日 むさしまるのこぼれ話
今年も新宿に「台湾映画祭」がやってきた。 去年は、午前10時開始の侯孝賢の「戀々風塵」を眠い目をこすりながら観たっけ。観客も15人程度だった。ところが今年はどうだ、回数券まで買って勇んで出かけた初回は、満員御礼で入場不可 …
楽しい映画と美しいオペラ――その80
2018年9月23日 楽しい映画と美しいオペラ
現代音楽は能に通じる!——三木容子 現代ピアノリサイタル リサイタルの案内を受け取って、度肝を抜かれた。いまの日本のピアニストで、ほかにいったい誰が、このようなプログラムで一夜のコンサートを開くだろうか。よほど意識の高い …
楽しい映画と美しいオペラ――その79
2018年8月16日 楽しい映画と美しいオペラ
愛の孤独と豊かさを鮮烈に描く——イ・チャンドン『オアシス』 男と女の愛は、ふたりだけのもの。他者の容喙をゆるさないし、他者に説明もできない。もちろん、他者には理解しようもないものだ。そして、静かに、深く、ふたりの土地を耕 …
フォーラムをめぐる人々―6.10国会前行動
2018年6月12日 フォーラムをめぐる人々
6.10国会前行動 いたたまれない思いで、国会前に行ってきました。風邪で喉が痛いし、雨が降っているし、どうしようかと迷いましたが、安倍と麻生、両大臣の顔を思い浮かべて、一念発起という次第です。 それにしても、日本の政治の …
むさしまるのこぼれ話 その六 苦い銭
2018年5月29日 むさしまるのこぼれ話
出稼ぎ、と聞くと自動的に反応してしまうのは、やはり育った時代と土地柄のせいだろうか。中卒の集団就職列車の光景がふと思い浮かんでしまう。そういう世代の原風景を見透かすかのように、パンフレットには、幼いと言っていいほどの娘の …
楽しい映画と美しいオペラ――その78
2018年5月11日 楽しい映画と美しいオペラ
オペレッタの楽しさがいっぱい!——東京室内歌劇場『天国と地獄』 芸術は人生にとって、本当に必要なものなのだろうか。ここ半年に近い間、私はオペラはもちろん、映画すらも観にいかなかった。家でも、音楽はほとんど聴かなかった。理 …