知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。
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年別アーカイブ: 2018年

むさしまるのこぼれ話 その八 台北の青い空

台湾の映画監督侯孝賢(ホー・シャオシェン)の作品中でいちばんのお勧めは、と問われたら、ためらうことなく「非情城市」と答える。今まで観た台湾映画のなかでは屈指のものだ。けれども好きな昨品は、と聞かれたら、たぶん「戀々風塵」 …

楽しい映画と美しいオペラ――その82

ヴェルディの「新しい喜劇」——カルロ・リッツィ指揮『ファルスタッフ』 構築的で硬質な、ヴェルディ特有のオーケストラが会場に響きわたる。最初の音を聴いただけで、これは! と思う。緩急自在で重厚、さらに響きに奥行きが感じられ …

おいしい本が読みたい 第33話 これからの、わたくしの、人生は…

どうしてこんな面白い物語を読まずに積んでおいたのだろう。読み終わって、最初にこみあげてきた気持ちがこれだ。奥付は2008年10月だから、手に入れたのは今から10年前のこと。白状すれば、一度読み始めたのだが、たちまち挫折し …

楽しい映画と美しいオペラ――その81

「事件」となった上映会——70mm版『2001年宇宙の旅』 10月13日、京橋の国立映画アーカイブ(旧東京国立近代美術館フィルムセンター)に着いたのは朝7時過ぎ。ところが、館前にはすでに長蛇の列。なんと147番目だった。 …

むさしまるのこぼれ話 その七 青春の門(モン)

今年も新宿に「台湾映画祭」がやってきた。 去年は、午前10時開始の侯孝賢の「戀々風塵」を眠い目をこすりながら観たっけ。観客も15人程度だった。ところが今年はどうだ、回数券まで買って勇んで出かけた初回は、満員御礼で入場不可 …

楽しい映画と美しいオペラ――その80

現代音楽は能に通じる!——三木容子 現代ピアノリサイタル リサイタルの案内を受け取って、度肝を抜かれた。いまの日本のピアニストで、ほかにいったい誰が、このようなプログラムで一夜のコンサートを開くだろうか。よほど意識の高い …

楽しい映画と美しいオペラ――その79

愛の孤独と豊かさを鮮烈に描く——イ・チャンドン『オアシス』 男と女の愛は、ふたりだけのもの。他者の容喙をゆるさないし、他者に説明もできない。もちろん、他者には理解しようもないものだ。そして、静かに、深く、ふたりの土地を耕 …

フォーラムをめぐる人々―6.10国会前行動

6.10国会前行動 いたたまれない思いで、国会前に行ってきました。風邪で喉が痛いし、雨が降っているし、どうしようかと迷いましたが、安倍と麻生、両大臣の顔を思い浮かべて、一念発起という次第です。 それにしても、日本の政治の …

むさしまるのこぼれ話 その六 苦い銭

出稼ぎ、と聞くと自動的に反応してしまうのは、やはり育った時代と土地柄のせいだろうか。中卒の集団就職列車の光景がふと思い浮かんでしまう。そういう世代の原風景を見透かすかのように、パンフレットには、幼いと言っていいほどの娘の …

楽しい映画と美しいオペラ――その78

オペレッタの楽しさがいっぱい!——東京室内歌劇場『天国と地獄』 芸術は人生にとって、本当に必要なものなのだろうか。ここ半年に近い間、私はオペラはもちろん、映画すらも観にいかなかった。家でも、音楽はほとんど聴かなかった。理 …

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