何のための共謀罪法案?

13日の日比谷野外音楽堂は、共謀罪法案に反対する人々でいっぱいでした。会場に入れない人たちも大勢いて、小雨にもかかわらず5200人が集まったようです。15日未明、共謀罪法案は強行採決され、残念ながら成立してしまいました。それにしても、いったい何のための法案なのか。それは13日の集会に参加してよく分かったような気がします。

政府は「テロ等準備罪処罰法案」と呼んでいるのですが、テロ対策の内容は一か条も入っていないそうです。またこの法案が、「国連国際組織犯罪防止条約」の批准に必要だといっているものの、現行法のままで十分批准できるとのこと。それではいったいなぜ、こんなにも反対が多い法案を強引に成立させたのか。

ひとことでいうならば、秩序を守る名目で、監視の網の目を隅々にまで張り巡らせるため、ということでしょうか。悪名高いあの「治安維持法」よりも適用範囲が広いそうです。団地の自治会、趣味の同好会、私たちのような法人まで、容易に監視の対象になってしまう。国連の特別報告者、ジョゼフ・カナタチ氏が、プライバシー侵害や恣意的な適用の恐れがある、と警告するはずです。

特定秘密保護法(2013年)、安全保障法制(2015年)、そしてこの共謀罪法案。安倍首相の強権は、憲法改悪まで行きつくのでしょうか。これ以上暴挙を赦してはなりません。

2017年6月15日 森淳