ロマン・ロランは青木やよひさんが好きだった大作家、そして編集者だった時期に担当されたという政治学者の丸山真男さんの名前も耳の飛び込んできた9月19日の国会正門前での集会。懐かしい思いで紹介したい。
安保法制反対で結成された市民団体「総がかり行動」。
法律が2015年9月19日に強行的に採決されたあとも、廃案と安倍的政治からの転換を求め毎月19日には国会前で集会を継続してきた。6年目、70回目の19日行動では、石川健治さん(立憲デモクラシーの会・東大教授)も初登壇。
石川さんは、安倍政権の2014年7月1日の閣議決定(集団的自衛権行使の容認)は「国是とされ歴代の内閣法制局が堅持してきた立場(集団的自衛権行使は違憲)をひっくり返した。9条をめぐって護憲派も改憲派も議論をたたかわせるが、(集団的自衛権は現憲法では行使できない)それは共通の土俵の上でのものだった。この政治の大前提が壊された。憲法のそれまでの解釈を人事の力(法制局長官を入れ替えたこと)で強引に変えるのを止められず、理屈の上では、我々が正しかったにも関わらず、数の力(国会での強行採決)で押し切られてしまった」と振り返った。
そして「憲法論議からコロナ対策へと論議が移った。とはいえ菅政権の断末魔というのは、結局、あの時の一連の安保法制の動きの中で、壊れてしまった統治システムが、このように無残に機能不全に陥るのだということを、間の当たりに見せてくれたと思っている」と厳しい指摘を下した。
そして6年前にも参議院会館前に立って述べたフランス語の言葉”malgre moi”(マルグレ・モア―私のような者であるにも関わらずの意味するー)をここでもう一度繰り返したい。これはロマン・ロランによる言い回しで丸山真男さんも好んでよく使われた言葉でもある。
“非政治的な人間であっても連帯すべき時はある。私のようなこうした場所立つのは本来場違いに思われるような者であっても立ち上がらなければならない時はある”
「6年が過ぎたが、あの時の思いをまた新たにしながら今日のこの日を迎えました」と石川さんは締めくくった。
「投票」の2文字のTシャツで登壇した高山佳奈子さん(日本学術会議会員 安全保障関連法に反対する学者の会・京大教授)は「専門知を集め、熟慮して結論を出すのが民主主義、それが生かされず、統治機構が壊され修復するのはとても大変。だが今そのための一歩を踏み出そう。世代超え投票に行こう!」と。
安保関連法に反対するママの会の女性は在宅診療の医師の立場で、本来24時間病院で診療されるべき人が在宅のままだったなど現政権がもたらした医療崩壊を告発。元総がかり行動の共同代表だった福山真劫さん(市民連合事務局)は、与党の狙いは野党共闘の分断、本気の共闘で衆院選勝利を!、4野党は6つの大項目、20の小項目で合意、政策合意を結んだ。市民連合のホームページで確認してと語った。
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集会名称:『戦争法強行からまる6年!戦争法廃止!立憲主義の回復!いのちと暮らしを守れ!自公政権退陣!総選挙勝利!9・19行動』 立・共・社の国会議員のほか、安全保障関連法に反対する学者の会、
安保関連法に反対するママの会、元シールズ、市民連合なども登壇・発言した。
呼びかけ:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会