ヒゲ: 梅が満開だね。また春がめぐってきた。
メガネ: 季節は間違いなく進んでいくね。
ヒゲ: 春が来るのは嬉しいけど、またひとつ歳を重ねる。
メガネ: うん、春を迎える気持ちは、確かに若い頃と違うなぁ。
ヒゲ: 先日、区が主催するセミナーに往復はがきで応募したんだよ。年齢の記入欄があって、そこに年齢を書き入れた。そして愕然とした。ああ、オレもこんな歳になったのか、とね。
メガネ: ネット上で年齢を打ち込むのと、実際に書き入れるのとは、確かにちょっと違うかもな。
ヒゲ: 友人、知人が亡くなっていくし。
メガネ: でもまあ、ささやかだけど、楽しいことだってある。
ヒゲ: そうだね。楽しむことが肝心。キミは今日も、スポーツバイクでここまでやって来た。

メガネ: それにしても、最近の政治状況は嘆かわしいね。
ヒゲ: まったく。岸田首相はどうなってるんだ。堅固な政治信条を持ってる人とは思ってなかったけど、なんだか好き勝手にやってるね。
メガネ: 安倍さんのように保守思想で固まった人も厄介だけど、岸田さんみたく空虚な人もまた怖いねぇ。周りの空気でどこへでも行ってしまう。
ヒゲ: 原発再稼働、さらに稼働期間の延長も論外だけど、防衛費のとんでもない拡大には反対しないと。
メガネ: 敵基地反撃能力も持とうとしているしね。

ヒゲ: 防衛費のGDP費1%以内というのは、いままでどんな政権も辛うじて守ってきた。
メガネ: それでも世界で9番目の軍事費の国なんだね。
ヒゲ: それをいとも簡単に倍増するという。そうしたら世界第3位になる!
メガネ: 現在の防衛費は年間5兆円強。さらに5兆円増やすという。これだけの予算があれば、たとえば大学までの教育費をほとんど無償にできるよ。
ヒゲ: 長い目でみれば、教育への投資のほうが遥かに国防に寄与する。日本は教育に金をかけない国で、公的支出のうち教育費の割合はGDP比2.8%。なんとOECD加盟37カ国中36位だよ(2019年)。

メガネ: そもそも、どこの国が我が国に攻めてくるというのだろう。
ヒゲ: 中国、北朝鮮、ロシアを想定しているよ。
メガネ: この3国が日本を攻撃する理由はあるのかな。
ヒゲ: 領土問題でいうと、ロシアに対しては、逆に日本が攻めたいくらいだろう。北方領土4島を占領されているんだから。
メガネ: 中国とは尖閣諸島でもめているけど、これで戦争になるとは思えないね。あと韓国との間での竹島問題。
ヒゲ: いずれも隣国と戦争になるような問題を抱えているとは思えない。
メガネ: ではなんで国防費を倍増しなければならないんだ?

ヒゲ: それは日本がアメリカと安全保障条約を結んでいるからではないの? その3国にとって、アメリカが第一の敵国だからね。日本にはアメリカの基地だらけだ。
メガネ: アメリカこそが日本の防衛費拡大を望んでいる。ミサイルなど武器を日本に輸出できるしね。
ヒゲ: 3国とアメリカとの戦争になれば、日本は間違いなく巻きこまれる。集団的自衛権も行使される可能性大だね。
メガネ: いっぽう、戦後80年ちかく日本が平和だったのは、アメリカに守られていたからだ、という考えが一般的だよ。
ヒゲ: そうかな。すでに言ったように、日本と隣国には戦争する理由なんてなかった。そして、戦争放棄という日本国憲法があった。
メガネ: そうだね。戦後80年の平和は、日米安保条約で守られたのではなく、日本の平和憲法にあったということだ。

ヒゲ: 外交も国防も、アメリカのいいなりの姿勢はそろそろ改めないと。そしてまずは、岸田首相の「戦後の安全保障政策の大転換」に明確に反対しないと。

2023年3月9日 ワーニャじいさん