不滅の恋人にみるベートーヴェンの変貌

講演:青木やよひ
楽曲解説:北沢方邦
ピアノ演奏:パーク・ヨンヒ
会場:ルーテル市ヶ谷センター

2007年2月2日金曜日午後7時、ルーテル市ヶ谷センターで、レクチャー・コンサートが催された。私たち知と文明のフォーラムにとっては、初めてのレクチャー・コンサートであった。例年2月といえば大雪に見舞われているのに、今年は暖冬で雪もなく、あの寒さもない。神様が味方してくれたのだろうか。

会の代表の一人である青木やよひさんの『決定版 ベートーヴェン〈不滅の恋人〉の探究』が、2007年1月に平凡社より、また同年10月ミュンヘンのイウディツィム社よりドイツ語版が刊行されるということで、昨年10月初旬、出版の記念レクチャー・コンサート開催が決定された。そして私が担当ということに。何も知らないということは恐ろしいことで、いとも簡単に引き受けてしまった。

それからは、ホールの選定、チラシ作成、チケットの委託販売、振替口座開設、プロモーション、プログラム作成等、4ヶ月はあっという間にすぎていった。その間、青木さんは、12月10日付け公明新聞に「没後180年を前に――べ—トーヴェン像の変容」を、1月27日付け東京新聞に「ベートーヴェンと〈不滅の恋人〉」を寄稿している。また毎日新聞等、新聞雑誌に何件かの案内記事が掲載された。

当日のプログラムは次のとおり。①講演:〈不滅の恋人〉にみるベートーヴェンの変貌――青木やよひ ②楽曲解説:べ-トーヴェンの後期様式と作品の意味――北澤方邦・青木やよひ・ヨンヒ・パーク ③ピアノ演奏:ベートーヴェン ピアノ・ソナタホ長調作品109――ヨンヒ・パーク

講演では青木さんの50年の研究成果が分かりやすく話され、その親しみやすい語り口に聴衆は引き込まれていた。また楽曲解説では、北澤さんによる後期ピアノ・ソナタの構造分析が評判を呼んだ。そして最後に不思議な魅力をたたえたパークさんのピアノ演奏を皆さんに楽しんでいただいた。

このレクチャー・コンサートには240名のお客様がご来場下さった。楽友会フロイデのメンバーはじめ多くの方々のご助力をいただいて、マイク・空調の不調などゆき届かないところもあったが、振り返ってみると心弾む4ヶ月であった。(徳武)

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