芸術を容れる建築――ポンピドゥ・センターとそのコレクションからみる女性展

講師:岡部憲明、岡部あおみ、北沢方邦

岡部氏が設計チームに加わったポンピドゥ・センターは1977年1月に開館。美術館、図書館、産業創造センター、音響音楽研究所から成る複合文化施設。パリ5月革命の理念を反映させ、市民に開かれた自由で広大なスペースを実現。1988年から手掛けた関西国際空港旅客ターミナルビルは、人工島の巨大空間。1995年には小田急ロマンスカーをデザイン。高い天井、LED間接照明、薄い椅子、窓を大きくとり快適空間を演出。氏は、構造物のスケール、それに託されたコンセプト、包み込まれたヒトの身体感覚が大事だと語る。特殊なモデリング、構造計算、材料の調達、施主や行政との交渉など、多岐にわたる建築の仕事をお話しくださった。

あおみ氏は、女性作家達の登場を歴史的に辿り、フェミニズムとアートの関わりを概観。ポンピドゥ・センターでの【1910‐70 前衛芸術の日本】展(1986~87年)で、50年代に【具体】で活躍した田中敦子の『電気服』などを紹介。その後、ジェンダーに注目したキュレーションや、実践してきた批評・研究についてのお話。同センターの所蔵作品による【女性展】(~2011年2月)や、ヴェネチア・ビエンナーレ展やバーゼルのアートフェアなど最新情報に触れ、近年増えた映像で表現する女性作家たちへの期待を語った。レクチャー後、伊豆高原ヴィラ・マーヤ近くの宮井捷二邸(岡部氏設計)を訪問、見学した。(片岡)