年別アーカイブ: 2009年
北沢方邦の伊豆高原日記【66】
2009年9月14日 北沢方邦の伊豆高原日記
桜や梅の樹々の葉が色づきはじめているのに、まだ蝉時雨である。夜は、すだく秋の虫の音が心地よくかまびすしい。ただ何度も書いたが、虫の種類は恐ろしく減っている。生物多様性が地球の生命を護り、人間にとっても住み良い環境をもたら …
楽しい映画と美しいオペラ―その22
2009年9月7日 楽しい映画と美しいオペラ
ドミンゴ、バロック・オペラに命を吹き込む ―ヘンデルの『タメルラーノ』 ベートーヴェンのもっとも敬愛した作曲家はヘンデルであったらしい。これは青木やよひ先生から教わった話だが、ちょっと意外だった。ボン時代の若 …
北沢方邦の伊豆高原日記【65】
2009年9月2日 北沢方邦の伊豆高原日記
9月に入り、急に秋めいてきた。3日は旧のお盆、つまり七月十五日の満月である。秋のはじまりを告げる七夕につづくお盆は、かつてはこうしたしっとりとした初秋の気配のなかで迎えた。夕闇にあちらこちらの門口で焚く迎え火の仄明かりと …
おいしい本が読みたい●第十一話 バナナは世界をつなぐ
2009年8月30日 おいしい本が読みたい
おいしい本が読みたい●第十一話 バナナは世界をつなぐ 中南米のバナナのいかにもラテン系らしい開的な甘さもすてがたいのだが、バランゴンバナナときたら、ほのかな渋みがあるぶん、甘味がくぐもっていて、すこぶるつきに美味い …
北沢方邦の伊豆高原日記【64】
2009年8月9日 北沢方邦の伊豆高原日記
ようやく夏らしさが戻ってきたと思えば、もう旧暦の立秋である。ヒロシマの日の前日が旧6月15日の満月であったが、折悪しく曇り、空一面の雲がいたずらに明るんでいるだけであった。またいつも立秋を境に、ウグイスたちは鳴きやみ、蝉 …
楽しい映画と美しいオペラ――その21
2009年7月29日 楽しい映画と美しいオペラ
赤裸々に描かれた女の欲望と愛―― 『ムチェンスク郡のマクベス夫人』 この5月10日、新国立劇場で『ムチェンスク郡のマクベス夫人』を観て、ショスタコーヴィチの音楽に圧倒された。ホール全体をどよもすオーケストラの大音響 …
北沢方邦の伊豆高原日記【63】
2009年7月22日 北沢方邦の伊豆高原日記
数日晴れ間が覗いたが、もどり梅雨らしく雨がつづく。わが家の庭もヴィラ・マーヤの庭も、草木の濃い緑を背景にヤマユリの大輪の白い花々がたわわに開き、むせるような芳香があたりに漂う。とりわけ今年はヴィラ・マーヤのユリが盛りであ …
北沢方邦の伊豆高原日記【62】
2009年7月7日 北沢方邦の伊豆高原日記
ときおり晴れ間が顔をのぞかせるが、梅雨らしい日々がつづく。ウグイスやホトトギスの声も、心なしかくぐもって聴こえる。梅雨がなかなか明けず、冷夏となった敗戦の前年の夏を思い出す。小さな茶碗摺り切り一杯の雑穀飯にひもじい思いを …
第13回セミナー/公開シンポジウム 2009年6月28日
2009年6月28日 活動報告
〈食料・身体性・環境セミナー2〉 食の現状・農の未来 パネリスト:安田節子、植木敬子、片柳義春 司会:北沢方邦 会場:北沢タウンホール 経済学や生産者の視点を交えて提起するシンポジウム「食の現状・農の未来」(主催は知と文 …
北沢方邦の伊豆高原日記【61】
2009年6月23日 北沢方邦の伊豆高原日記
いつもは緑の海の彼方にみえる隣家の屋根も消える濃い霧のなか、樹々の影が水墨画のように浮かび、深山幽谷のおもむきを醸しだしている。雨と風にも負けずウグイスが鳴き競っている。賢治の「雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ」の詩句を思いだ …




