知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。
ブログ

北沢方邦の伊豆高原日記

北沢方邦の伊豆高原日記【15】

柿の葉が橙色に染まり、橡や楢もかすかに色づきはじめた。澄んだ空のあちらこちらにモズの高鳴きがこだまし、中国語に似たイソヒヨドリのなめらかな音節が遠くにひびく。イソヒヨドリは伊東市の市の鳥となっていて、地元ではアカハラとい …

北沢方邦の伊豆高原日記【14】

南に傾いた陽射しが室内にも当るこの季節、いつものように、夏のあいだ外に出していた観葉植物をとりこんだ。そのひとつにカネタタキが付いていたらしく、夜の灯のもとで鳴きはじめた。近くで聴くと、コオロギより小さな体から出るとも思 …

北沢方邦の伊豆高原日記【13】

まだ緑の色濃いクヌギの梢で、モズの高鳴きを今年はじめて聴く。春を告げるウグイスに対して、秋を告げる鳴声といってよい。モズはスズメより大きいが、それでも小鳥といえるだろう。まじかで見るその顔は、つぶらな瞳に刷毛で化粧したよ …

北沢方邦の伊豆高原日記【12】

爽涼な大気にキンモクセイの花のかぐわしい香りがただよう。はやくもサクラやセンダンの葉が黄ばみ、散りはじめている。信州のように劇的ではないが、伊豆高原にもひっそりと秋が訪れている。 われわれは慣れてそれが当然と思っているが …

北沢方邦の伊豆高原日記【11】

 旧暦の盂蘭盆会(うらぼんえ)の夜、つまり旧七月十五日の予報は曇りというので、十四夜の月をめでることにした。この季節にしては大気も乾燥し、明月(旧八月十五日の月のみを「名月」という)に近い晧々とした月が澄み切った中天にか …

北沢方邦の伊豆高原日記【10】

        オーストラリア・アボリジニーの樹皮絵(Groote Eylandt の Bunia作) ディンゴ(山犬)とワラビー(小カンガルー)との神話的戦い。 木の枝でワシがその決着を待つ。   昼はまだ樹 …

北沢方邦の伊豆高原日記【9】

ウグイスのひとりごとをはじめて聴いた。8月上旬に高らかなさえずりはなくなるが、姿を消したわけではない。珍しい鳥の声がすると窓から見ると、盛りを過ぎたアジサイの下枝に止まったウグイスが、ひとりごとをいいながらせわしなく虫を …

北沢方邦の伊豆高原日記【8】

いつもなら真夏のまばゆい空と緑に映えるヤマユリの季節が、くぐもった梅雨の色彩を背景に終わりを告げてしまった。豪奢な白い花と悩ましいほどの馥郁とした香りで、一輪を部屋に挿しただけでも、陶酔的な気分となる。「野の百合を見よ、 …

北沢方邦の伊豆高原日記【7】

雨に濡れた緑の樹々が霧にかすみ、かぐろい影となり、深山幽谷のような情緒をかもしている。この季節に七夕を祝うのも奇妙だ。昔の太陽太陰暦では、7月7日は早くても八月中旬、遅ければ九月であり、季語としては秋であった。『万葉集』 …

北沢方邦の伊豆高原日記【6】

 知と文明のフォーラム第二回セミナー『性差とジェンダー1』(講師青木やよひ)についての感想文で、石井ゆたかさんが触れたからかもしれないが、カタツムリがあらわれ、雨に濡れたヴィラ・マーヤの敷石のうえに寝そべっていた。踏まれ …

« 1 13 14 15 »
PAGETOP
Copyright © 知と文明のフォーラムⅡ All Rights Reserved.