知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。
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北沢方邦の伊豆高原日記

北沢方邦の伊豆高原日記【65】

9月に入り、急に秋めいてきた。3日は旧のお盆、つまり七月十五日の満月である。秋のはじまりを告げる七夕につづくお盆は、かつてはこうしたしっとりとした初秋の気配のなかで迎えた。夕闇にあちらこちらの門口で焚く迎え火の仄明かりと …

北沢方邦の伊豆高原日記【64】

ようやく夏らしさが戻ってきたと思えば、もう旧暦の立秋である。ヒロシマの日の前日が旧6月15日の満月であったが、折悪しく曇り、空一面の雲がいたずらに明るんでいるだけであった。またいつも立秋を境に、ウグイスたちは鳴きやみ、蝉 …

北沢方邦の伊豆高原日記【63】

数日晴れ間が覗いたが、もどり梅雨らしく雨がつづく。わが家の庭もヴィラ・マーヤの庭も、草木の濃い緑を背景にヤマユリの大輪の白い花々がたわわに開き、むせるような芳香があたりに漂う。とりわけ今年はヴィラ・マーヤのユリが盛りであ …

北沢方邦の伊豆高原日記【62】

ときおり晴れ間が顔をのぞかせるが、梅雨らしい日々がつづく。ウグイスやホトトギスの声も、心なしかくぐもって聴こえる。梅雨がなかなか明けず、冷夏となった敗戦の前年の夏を思い出す。小さな茶碗摺り切り一杯の雑穀飯にひもじい思いを …

北沢方邦の伊豆高原日記【61】

いつもは緑の海の彼方にみえる隣家の屋根も消える濃い霧のなか、樹々の影が水墨画のように浮かび、深山幽谷のおもむきを醸しだしている。雨と風にも負けずウグイスが鳴き競っている。賢治の「雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ」の詩句を思いだ …

北沢方邦の伊豆高原日記【60】

庭先でウツギの花、つまり卯の花が白く咲き零れている。ツツジの根元にひろがるドクダミの可憐な花も白く、芝生や背景の樹々の緑に映えて美しい。森のさまざまな樹々の花も白一色であり、6月の風景を特色づけている。それらのほのかな匂 …

北沢方邦の伊豆高原日記【59】

朝、窓を開けると、柑橘類の白い花々が放つ甘美な香りにむせる日々も過ぎ、いまや樹々の緑の海の上高く、ホトトギスがけたたましく鳴いて飛ぶ季節となった。夜、フクロウの神秘な声が森に木魂し、二階のデッキにでてしばし聴き惚れる。冬 …

北沢方邦の伊豆高原日記【58】

今年は異様に季節の移り変わりが早い。新緑の季節というのに、もはや新緑とはいえない。ツツジの花は散り、旧六月、つまり夏の花である牡丹も散ってしまった。わが家のボタンは深紫色の大輪で、今年は多くの花をつけ、出入りの植木屋さん …

北沢方邦の伊豆高原日記【57】

つづく花冷えで、ソメイヨシノは五分咲きのまま、様子見といった風情である。むしろ例年は遅いヤマザクラが開花し、五分咲きとなってソメイヨシノに追いついている。芝生も青みがかってきたが、いつも撒く米のとぎ汁から飛び散る米粒を、 …

北沢方邦の伊豆高原日記【56】

今年は気候が乱調のせいか、ウグイスの初鳴きがひどく遅れ、もう梅も緋寒桜も散ってしまった今朝(3月7日)、ようやく聴くことができた。だが、ほのぼのとした美しい朝にそのさえずりを聴くとき、このうえない安らかな気分になる。 夜 …

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