年別アーカイブ: 2006年
北沢方邦の伊豆高原日記【13】
2006年9月30日 北沢方邦の伊豆高原日記
まだ緑の色濃いクヌギの梢で、モズの高鳴きを今年はじめて聴く。春を告げるウグイスに対して、秋を告げる鳴声といってよい。モズはスズメより大きいが、それでも小鳥といえるだろう。まじかで見るその顔は、つぶらな瞳に刷毛で化粧したよ …
北沢方邦の伊豆高原日記【12】
2006年9月25日 北沢方邦の伊豆高原日記
爽涼な大気にキンモクセイの花のかぐわしい香りがただよう。はやくもサクラやセンダンの葉が黄ばみ、散りはじめている。信州のように劇的ではないが、伊豆高原にもひっそりと秋が訪れている。 われわれは慣れてそれが当然と思っているが …
北沢方邦の伊豆高原日記【11】
2006年9月12日 北沢方邦の伊豆高原日記
旧暦の盂蘭盆会(うらぼんえ)の夜、つまり旧七月十五日の予報は曇りというので、十四夜の月をめでることにした。この季節にしては大気も乾燥し、明月(旧八月十五日の月のみを「名月」という)に近い晧々とした月が澄み切った中天にか …
北沢方邦の伊豆高原日記【10】
2006年9月3日 北沢方邦の伊豆高原日記
オーストラリア・アボリジニーの樹皮絵(Groote Eylandt の Bunia作) ディンゴ(山犬)とワラビー(小カンガルー)との神話的戦い。 木の枝でワシがその決着を待つ。 昼はまだ樹 …
北沢方邦の伊豆高原日記【9】
2006年8月17日 北沢方邦の伊豆高原日記
ウグイスのひとりごとをはじめて聴いた。8月上旬に高らかなさえずりはなくなるが、姿を消したわけではない。珍しい鳥の声がすると窓から見ると、盛りを過ぎたアジサイの下枝に止まったウグイスが、ひとりごとをいいながらせわしなく虫を …
北沢方邦の伊豆高原日記【8】
2006年7月31日 北沢方邦の伊豆高原日記
いつもなら真夏のまばゆい空と緑に映えるヤマユリの季節が、くぐもった梅雨の色彩を背景に終わりを告げてしまった。豪奢な白い花と悩ましいほどの馥郁とした香りで、一輪を部屋に挿しただけでも、陶酔的な気分となる。「野の百合を見よ、 …
第3回セミナー 2006年7月15・16日
2006年7月15日 活動報告
ヨーガとインド哲学2――近代二元論を克服する道としてのヨーガとその実践 講師:北沢方邦 「ヨーガ――インド哲学とその実践」というテーマで、2006年の3月18日・19日、7月15日・16日の2回、セミナーが行われた。前者 …
北沢方邦の伊豆高原日記【7】
2006年7月9日 北沢方邦の伊豆高原日記
雨に濡れた緑の樹々が霧にかすみ、かぐろい影となり、深山幽谷のような情緒をかもしている。この季節に七夕を祝うのも奇妙だ。昔の太陽太陰暦では、7月7日は早くても八月中旬、遅ければ九月であり、季語としては秋であった。『万葉集』 …
北沢方邦の伊豆高原日記【6】
2006年7月1日 北沢方邦の伊豆高原日記
知と文明のフォーラム第二回セミナー『性差とジェンダー1』(講師青木やよひ)についての感想文で、石井ゆたかさんが触れたからかもしれないが、カタツムリがあらわれ、雨に濡れたヴィラ・マーヤの敷石のうえに寝そべっていた。踏まれ …
北沢方邦の伊豆高原日記【5】
2006年6月18日 北沢方邦の伊豆高原日記
梅雨らしい鬱陶しい日々がつづく。しかしこのモンスーンの降雨とそのあとの熱帯並みの高音多湿の夏が、この中緯度地帯の稲作を可能にし、わが国の何千年という文化をはぐくんできたのだ。梅雨の風土にも感謝しなくてはならない。 しかし …




