知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。
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北沢方邦の伊豆高原日記

北沢方邦の伊豆高原日記【35】

 枯葉の舞いのなかで、庭の隅に張られたいくつかのクモの巣が風にゆれて光り、中心では、ジョロウグモがまだ寒さに耐えて頑張っている。夕べの紫色の海に、イカ釣り漁船の漁り火がまたたく季節となった。真冬にかけて、夕暮れの美しい日 …

北沢方邦の伊豆高原日記【34】

急に秋が深まった、というより初冬がやってきたため、めずらしく伊豆高原の紅葉が美しい。朝夕の気温差の少ないこの地は、樹々はあまり紅葉することなく、枯葉色のまま落葉する。しかし今年は、雑木類の黄葉が鮮やかに、ハゼやウルシの紅 …

北沢方邦の伊豆高原日記【33】

季節の移り変わりが早い。多忙だったせいもあるかもしれないが、樹々が色づきはじめ、モズの高鳴きが森に木魂し、澄み渡った空に秋らしい陽射しがまばゆい、といった典型的な「日本の秋」はほとんどなく、夏が終わったと思うや、すでに肌 …

北沢方邦の伊豆高原日記【32】

朝夕はめっきり涼しくなった。樹間を吹き抜ける風が肌に快い。夜は仲秋の名月(旧八月十五日、今年は暦のうえでは9月25日)が近く、下弦の月が中天に懸かり、虫の音が耳に快い。今年もコオロギやカネタタキが家のどこかで鳴き、夜の瞑 …

北沢方邦の伊豆高原日記【31】

伊豆高原にはめずらしく、30度以上の日が数日つづく猛暑も一段落し、海からの涼しい微風が再び心地よく吹きはじめた。旧暦ではいま七月、つまり初秋であるが、夜きわだつ虫の音を別として、昼はまだ秋の気配は少ない。秋の最初の伝統行 …

北沢方邦の伊豆高原日記【30】

テッポウユリの季節が巡ってきた。緑一色の庭のいたるところで、純白の花弁が微風にゆれている。その清楚なたたずまいといい、高貴な香りといい、なにかこの世のものでないおもむきがある。月遅れの盆(ほんとうの旧暦の盆つまり旧七月の …

北沢方邦の伊豆高原日記【29】

ヤマユリの季節は終わりに近い。そろそろウグイスも鳴きやむ頃だが、今年は新顔が登場して楽しませてくれた。わが家が寝坊なのを知っているらしく、早朝裏の森にやってきては、ホーホケキョならぬ、ホー・オキロ(起きろ)!と、防音のよ …

北沢方邦の伊豆高原日記【28】

ふたたびヤマユリの季節が巡ってきた。絢爛とした白い大きな花弁、むせかえるような豪奢な香り、これが栽培種ではなく、『古事記』や『万葉集』の昔から山野に自生していたなどとは信じがたいほどである(すでに述べたように古語ではサヰ …

北沢方邦の伊豆高原日記【27】

ヤマボウシをはじめ樹々の白や淡黄色の花々が、やや盛りを過ぎたが濃緑の森を彩っている。ホトトギスかかまびすしく空を翔け、それぞれ鳴き方のちがうウグイスが、高らかに縄張り宣言をする。わが家は三羽の境界に位置するらしく、異なっ …

北沢方邦の伊豆高原日記【26】

季節の移り変わりが早い。朝、窓を開けると柑橘類の白い花々の甘い香りが漂う日々はあっという間に過ぎ、野生のジャスミンの同じく白い花の強烈な芳香にむせる日々も過ぎ去ろうとしている。旧五月つまり梅雨時に咲くのでその名があるサツ …

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