楽しい映画と美しいオペラ
楽しい映画と美しいオペラ――その64
2016年6月18日 楽しい映画と美しいオペラ
中国現代史を証言する――胡傑のドキュメンタリー映画 かつてはほとんど関心がなかったスポーツ中継をよく観るようになった。テニス、サッカー、野球、相撲などである。歳を重ねて自由な時間が増えたという単純な理由もあるけれど、スポ …
楽しい映画と美しいオペラ――その63
2016年4月21日 楽しい映画と美しいオペラ
モーツァルトと音楽の自由――ニコラウス・アーノンクール追悼 指揮者のなかでだれが一番心に残っているか、と問われれば、やはりニコラウス・アーノンクールと答える。彼のつむぎだす音楽は、とにかく刺激的である。クラシック音楽の世 …
楽しい映画と美しいオペラ――その62
2016年2月8日 楽しい映画と美しいオペラ
それでも人は生きていく——『恋人たち』の絶望と一条の光 「人間は生まれながらの敗者である」。私の愛する藤沢周平がどこかのエッセイで書いていた言葉である。滋味深い彼の時代小説の底を流れるこの認識は、小津安二郎の映画にも密や …
楽しい映画と美しいオペラ――その61
2015年12月26日 楽しい映画と美しいオペラ
森鴎外、作家と軍人の狭間で——『鴎外の怪談』にみる大逆事件 先日はじめて文京区にある森鴎外記念館を訪れた。それも他用のついでということで、私にとって鴎外がいかに遠い存在であったかが分かる。鴎外の代表作といわれる『澁江抽齋 …
楽しい映画と美しいオペラ――その60
2015年9月28日 楽しい映画と美しいオペラ
人間の原罪をみつめる——篠田桃紅の人生哲学 9月20日の日曜日の朝日新聞朝刊に、私に強い印象を与えた老女の著書の広告が大きく出ていた。『一〇三歳になってわかったこと』というタイトルの横で端然と座すその老女の横顔は、まこと …
楽しい映画と美しいオペラ――その59
2015年9月10日 楽しい映画と美しいオペラ
四季のなかに息づく映画——『あん』は自然そのもの 「あんを炊いているときのわたしは、いつも小豆の言葉に耳をすましていました。それは、小豆が見てきた雨の日や晴れの日を、想像することです。どんな風に吹かれて小豆がここまでやっ …
楽しい映画と美しいオペラ――その58
2015年8月2日 楽しい映画と美しいオペラ
チェーホフとシューベルトの親和性——『雪の轍』は人生の哀歌 94歳の栗本尊子の歌を聴いて以来、音楽表現にも年齢による成熟というものがあることを実感したものだが、いっぽうで、芸術というものは年齢を楽々と超えるものであること …
楽しい映画と美しいオペラ――その57
2015年6月3日 楽しい映画と美しいオペラ
狂気のヴァリエーション——『セッション』に於ける音楽の魔性 「芸術上の——とくに音楽・絵画という純粋芸術の場合——才能とは病名のことではないかと思ったりする。とりわけ大いなる才能が宿る場合、宿主の魂を高貴にする一方で、宿 …
楽しい映画と美しいオペラ――その56
2015年4月23日 楽しい映画と美しいオペラ
鳥は老いて宙を舞う——『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 音楽的な感受性が豊かな映画監督は、おおよそ名監督ではないかと思う。ちょっと思い浮かべるだけでも、ベルイマンはバッハやアルビノーニ、ブルックナー …
楽しい映画と美しいオペラ――その55
2015年3月22日 楽しい映画と美しいオペラ
資本主義は超えられないのか——『グッバイ、レーニン!』の見る夢 アベノミクスのお陰で日本株は上昇の一途である。円をばら撒いているのだから当然その価値は下がる。この円安で、輸出を一手に引き受けている大企業の業績は上がるいっ …