知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。

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フォーラムをめぐる人々ーぶらりと映画館

ぶらりと映画館 街のまんなかで、ふと真空の時間を持つことがあります。なんの予定もなく、時間がたっぷりあるという幸福な状態です。そんなときは、近くの映画館か美術館をぶらりと訪れるのが一番。ときに至福の時間を得ることができま …

楽しい映画と美しいオペラーーその76

レジスタンスの栄光と悲惨——『ハイドリヒを撃て!——「ナチの野獣」暗殺作戦』 2時間、まるでナチス占領下のプラハにいるような緊張感のなかにあった。ナチスの兵士たちが銃を構えて街を警戒している。暗い表情ながら、市民の姿も多 …

楽しい映画と美しいオペラーーその75

信仰の二面性について考える——メル・ギブソン『ハクソー・リッジ』 「ハクソー・リッジ」は、沖縄本島中部の前田高地の峻嶮な絶壁のことで、前の大戦で米軍が名付けた。約150mの弓なりの絶壁で、普通の登攀は不可能。「のこぎりの …

楽しい映画と美しいオペラ――その74

デヴィーアの声に酔う――ベルカントオペラの最高峰『ノルマ』 イタリアオペラはなんといっても歌である。それも甘美で流麗な歌! そういう意味では、ベルカントオペラこそ、イタリアオペラそのものではないか。私の愛してやまないヴェ …

楽しい映画と美しいオペラ――その73

意表をつく映像美と深遠なメッセージ――ドゥニ・ヴィルヌーヴ『メッセージ』 オペラにしろ、文楽にしろ、また演劇にしろ、生身の人間が眼前で演じる舞台は、演者の発する稀なエネルギーを直接身体に感じることができる。切ない恋を語る …

フォーラムをめぐる人々―何のための共謀罪法案?

何のための共謀罪法案? 13日の日比谷野外音楽堂は、共謀罪法案に反対する人々でいっぱいでした。会場に入れない人たちも大勢いて、小雨にもかかわらず5200人が集まったようです。15日未明、共謀罪法案は強行採決され、残念なが …

フォーラムをめぐる人々―水元公園の政治談議

水元公園の政治談議 「文科省の前の事務次官、前川っての、結構骨のある奴らしいね。天下り問題で辞めさせられたけど、あれは人身御供だよ」 「そうさ、文科省の天下りなんか、経産省に比べれば可愛いもんだよ。前川にすれば、何で俺が …

おいしい本が読みたい 第32話 大きな歴史と小さな歴史と

『褐色の世界史』(ヴィジャイ・プラシャド著、水声社)は「第三世界」から見た世界史だ。わたしたちが中学・高校で押しつけられる世界史とはかなり趣が異なる。歴史は原則として強者の歴史であり、したがって、基本的には「第一世界」の …

フォーラムをめぐる人々ー水元公園の「書斎」

水元公園の「書斎」 今日は水元公園の「書斎」を約半年ぶりに木陰へ移動した記念すべき日でした。陽だまり、木陰、どちらで本を読もうかなぁ、と迷う頃が、一年でも一番快適な気候なのかも知れません。 葛飾区の水元公園は、市川市の我 …

楽しい映画と美しいオペラ――その72

女性性とはなんだろうと考えた――荻上直子『彼らが本気で編むときは、』 映画の上映時間の2時間余、左隣の中年女性の手には、ずっと白いハンケチが握りしめられていた。しばしばそれで目頭を拭う。その動作に影響を受けたわけではない …

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