年別アーカイブ: 2007年
北沢方邦の伊豆高原日記【29】
2007年8月1日 北沢方邦の伊豆高原日記
ヤマユリの季節は終わりに近い。そろそろウグイスも鳴きやむ頃だが、今年は新顔が登場して楽しませてくれた。わが家が寝坊なのを知っているらしく、早朝裏の森にやってきては、ホーホケキョならぬ、ホー・オキロ(起きろ)!と、防音のよ …
楽しい映画と美しいオペラ―その6
2007年7月25日 楽しい映画と美しいオペラ
男がいなくても生きていけるか?――成瀬巳喜男『流れる』 小津安二郎、溝口健ニ、成瀬巳喜男といった、いわゆる曰本映画の巨匠たちの映画は、リアル・タイムでは観ることができなかった。しかし私は、そのなかの名作といわれるも …
北沢方邦の伊豆高原日記【28】
2007年7月22日 北沢方邦の伊豆高原日記
ふたたびヤマユリの季節が巡ってきた。絢爛とした白い大きな花弁、むせかえるような豪奢な香り、これが栽培種ではなく、『古事記』や『万葉集』の昔から山野に自生していたなどとは信じがたいほどである(すでに述べたように古語ではサヰ …
おいしい本が読みたい●第五話 辣腕編集者一代記
2007年7月9日 おいしい本が読みたい
おいしい本が読みたい●第五話 辣腕編集者一代記 純文学であろうと大衆文学であろうと、文学作品の成立には、作者と読者の需給関係が深くかかわっている。そこで等閑視されやすいのが、両者をつなぐ黒子、すなわち出版・編 …
楽しい映画と美しいオペラ―その5
2007年7月2日 楽しい映画と美しいオペラ
移ろいゆく「時」、そして諦念――新国立劇場『ばらの騎士』 カルロス・クライバーが日本で指揮した『ばらの騎士』は、「伝説の舞台」となり、今でも語り草となっている。1994年のウィーン国立歌劇場の来日公演である。これを私は …
北沢方邦の伊豆高原日記【27】
2007年6月24日 北沢方邦の伊豆高原日記
ヤマボウシをはじめ樹々の白や淡黄色の花々が、やや盛りを過ぎたが濃緑の森を彩っている。ホトトギスかかまびすしく空を翔け、それぞれ鳴き方のちがうウグイスが、高らかに縄張り宣言をする。わが家は三羽の境界に位置するらしく、異なっ …
北沢方邦の伊豆高原日記【26】
2007年6月5日 北沢方邦の伊豆高原日記
季節の移り変わりが早い。朝、窓を開けると柑橘類の白い花々の甘い香りが漂う日々はあっという間に過ぎ、野生のジャスミンの同じく白い花の強烈な芳香にむせる日々も過ぎ去ろうとしている。旧五月つまり梅雨時に咲くのでその名があるサツ …
北沢方邦の伊豆高原日記【25】
2007年5月9日 北沢方邦の伊豆高原日記
まばゆい新緑といいたいが、すでに緑は深い。ただヤマツツジのみが、緑一色の風景に緋色の花の鮮やかな点描を映しだしている。ウグイスやメジロ、イソヒヨドリやコジュケイ、コガラやヤマガラなどの歌声はいま盛りである。すぐにホトトギ …
北沢方邦の伊豆高原日記【24】
2007年4月30日 北沢方邦の伊豆高原日記
集中しなくてはならない仕事があり、約1ケ月ご無沙汰してしまった。そのあいだに春は過ぎ、初夏の陽気となったが、今年の伊豆高原の春は奇妙というより異常というほかはなかった。東京より一週間も遅れてソメイヨシノが咲きはじめたが、 …
楽しい映画と美しいオペラ―その4
2007年4月28日 楽しい映画と美しいオペラ
絢爛、妖艶、冷酷、そして可憐―ヘンデルの『アルチーナ』 音楽好きのイギリスの友人と楽しい一夜を過ごしたことがある。オペラ談義で盛り上がったとき、好きなオペラを5つ挙げるよう提案された。突然のことでもあり、私はうーんと困っ …



