楽しい映画と美しいオペラ――その137
2024年6月28日 楽しい映画と美しいオペラ
「真実」の断片で判断してはならない――イルケル・チャタク『ありふれた教室』 ドイツの中学校の教室が舞台のひとつである。日本の学校と異なるのは、生徒たちが多様だということ。アジア、アフリカ、中近東など、ヨーロッパ系ではない …
むさしまるのこぼれ話 その二十八 「国語」は国民をつくる
2024年6月16日 むさしまるのこぼれ話
「国語」は国民をつくる(のか?) 『パリ20区、僕たちのクラス』(2010)という作品は、移民の流入にあえぐヨーロッパの大都市の現状を切り取って秀逸だ。多文化主義などというお題目をとなえるより、こういう映画を観て日本の移 …
楽しい映画と美しいオペラ――その136
2024年5月28日 楽しい映画と美しいオペラ
投げかけられた重い問い――濱口竜介『悪は存在しない』 冒頭、深い森の樹々が映し出される。森のなかを歩く人が仰ぎ見るであろう風景が、延々と。そして、一組の父娘が、この森を歩く。手をつないで、また、父が娘を背負うなどしながら …
楽しい映画と美しいオペラ――その135
2024年4月30日 楽しい映画と美しいオペラ
原爆投下はなぜ防げなかったのか――クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』 強烈な光と、それに続いてもくもくとわき上がるキノコ雲。大画面は不気味にうごめき、会場を揺さぶる大音響。1945年7月16日、アメリカは南部ニ …
楽しい映画と美しいオペラ――その134
2024年4月20日 楽しい映画と美しいオペラ
水が語る人間の歴史、そして未来――坂本龍一『TIME』 薄明かりの照明のもと、舞台には一面に水がひかれている。かすかな水の音。ぽとりぽとりと、雨が滴る音。静寂そのものの舞台は、深い森のなかなのか。 水の音は、この作品の作 …
おいしい本が読みたい 第46話 旅する物語の物語
2024年4月9日 おいしい本が読みたい
友人の熱心なすすめで読みはじめた、ブルガーコフ(1891~1940)の『巨匠とマルガリータ』(1929~40にかけて執筆)だった。これがまた期待をはるかに超えるおもしろさ。現代ロシア(というかソビエト連邦)に得体のしれな …
楽しい映画と美しいオペラ――その133
2024年3月20日 楽しい映画と美しいオペラ
信仰は革命に抗しえたか?――プーランク『カルメル会修道女の対話』 1794年7月17日、16人のカルメル会修道女が断頭台の露と消えた。このオペラは、その歴史的事実をテーマとしている。主人公は侯爵令嬢のブランシュで、彼女は …
もう誰も戦死しない国を続けるために――衆院予算案採決抗議!
2024年3月2日 みどりと気と市民運動のある暮らし
21年の衆議院選挙で、与党が3分の2議席を確保したことで、憲法が危ないのでは?と「放射能汚染水放出に反対する北区の会」のメンバーと「STOP改憲・北区の会」も結成。毎月第4日曜日に街宣を始めた。 22年12月16日、岸田 …
楽しい映画と美しいオペラ――その132
2024年3月1日 楽しい映画と美しいオペラ
繊細で絶妙なヘテロフォニー――能『松風』再び 橋掛りの奥の方から、対話を交わしているような謡の声が聴こえる。松風・村雨姉妹の登場である。彼女たちは汐汲みの帰りだが、まだ姿は見えない。微妙に重なりあうふたりの声。私の待ち望 …
鳥聲春
2024年2月27日 みどりと気と市民運動のある暮らし
雪の日、庭のピラカンサの赤い実めがけ、ムクドリ?が集団で訪れ、みるみるうちに食べ尽くし去っていった。鳥たちは、ピラカンサの木だけでなく、傍の電線と後方の柿の木にまでびっしりと留まっていて、その数の多さにはただただ驚かされ …