知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。

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フォーラムをめぐる人々―西村朗先生ご逝去

2023年9月7日、作曲家西村朗先生が逝去されました。69歳。謹んでお悔やみ申し上げます。西村先生は、西欧の近代音楽に対して独自の世界を築かれました。アジアの思想・宗教を軸に、人間の意識の外に広がる無限の可能性を、音楽と …

水元公園の池畔談議20 健闘する「天声人語」

ヒゲ:今年も9月に入ってしまったね。 メガネ:まったく月日の経つのは早いねぇ。 ヒゲ:この夏は大変な暑さだった。9月になってもまだまだ暑い。 メガネ:この時期は、花も端境期なのかな。水元公園も花が少ないね。 ヒゲ:年間を …

むさしまるのこぼれ話 その十八 多情の行方

まだ海辺の田舎町で、のほほんとギンヤンマを追いかけていた頃、庭の片隅の木葉に雨蛙がまどろんでいる格好に思わず見とれたことがあった。そうして注視しているうちに、ふと気づくと、この蛙くんにはひとつ余計な、あるいは贅沢なモノが …

水元公園の池畔談議19 河野英子歌集『原爆の歌』

メガネ:今年は暑いねぇ。 ヒゲ:水元公園も確かに暑いけど、この水辺にはいい風が吹いてるよ。 メガネ:南風だね。池の水面が波立ってる。 ヒゲ:風通しがいいから、冬はここにはいられないけど、夏は絶好の書斎になるんだよ。 メガ …

楽しい映画と美しいオペラ――その124

人生の苦悩を美しい歌に――チョン・ミョンフン指揮の『オテロ』 チョン・ミョンフンの指揮による『オテロ』は、激しく、また美しく、聴きごたえ十分であった。これほどシンフォニックな魅力に溢れていたのかと、認識を新たにした。演奏 …

おいしい本が読みたい  第44話 世界史から屠場へ 

今回は差別にまつわる作品を二つ紹介しよう。まずは『人種主義の歴史』(平野千果子、岩波新書2022年)。『フランス植民地主義の歴史』でデビューした平野が、領域をヨーロッパに広げ、大航海時代から現代にいたるまでを通観した、ま …

楽しい映画と美しいオペラ――その123

晩年の恋と創造力――ヤナーチェク『利口な女狐の物語』 レオシュ・ヤナーチェク(1854-1928)の作品は晩年に傑作が集中している。オペラでいえば、『カーチャ・カバノヴァー』(1921)、『利口な女狐の物語』(1923) …

水元公園の池畔談議18 LGBT理解増進法

ヒゲ:梅雨の晴れ間だね。そんなに湿度も高くないし、気持ちのいい日だ。 メガネ:花菖蒲も満開で、今日は土曜日、ちょうど菖蒲祭りをやっている。紫陽花も満開だね。 ヒゲ:ここはいい公園だよ。花の種類は多いし、鬱蒼とした森もある …

むさしまるのこぼれ話 その二十四 暗⇒明⇒暗?    

      ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』を読んで心を揺さぶられた人は多いだろう。わたしもその一人だが、疑問を抱いた点が二つある。ひとつは、知的障害者の主人公チャーリーの抱える世 …

楽しい映画と美しいオペラ――その122

イタリアアルプスの大自然、そして人生――映画『帰れない山』 映画には、どうしても映画館で観なければいけない作品がある。この映画もそうで、自然、しかも、イタリアアルプスの大自然が舞台だからだ。自然の雄大さ、そして、過酷さは …

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