知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。

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楽しい映画と美しいオペラ――その106

自由と孤独の物語――クロエ・ジャオ『ノマドランド』 ノマド(nomad)とは英語で遊牧民、流浪者のことである。現代では、好きな時間に好きな場所で働く人や働き方をノマドというらしいが、この映画の主人公ファーンは、自らノマド …

むさしまるのこぼれ話 その十七 生きにくさ、に抗して

『どっこい生きてる』 市立図書館の貸し出しDVDコーナーで手にとったこの作品。見たいと思った理由のひとつは、主演リストに河原崎長十郎と中村翫右衛門が並んでいたから。そう、『人情紙風船』のあの二人だ。それともうひとつ、ケー …

楽しい映画と美しいオペラ――その105

LD時代の歌姫たち エディタ・グルベローヴァが亡くなった。享年74歳。昨年のミレッラ・フレーニに続いて、私のLD時代の歌姫がこの世を去るのは、なんとも寂しい。わけても、グルベローヴァは同年代であるゆえに、その寂しさはひと …

秋は実のもの

「春は芽のもの、夏は葉のもの、秋は実のもの、冬は根のもの」という言葉を思いつつ、春夏秋冬を過ごす。今年はまだ蒸し暑さが居直っているが、虫の音も空の月も秋到来を告げている。 総裁選報道まみれのメディアに憮然とし、レイプもみ …

マルグレ・モア―たとえ意に反しても

ロマン・ロランは青木やよひさんが好きだった大作家、そして編集者だった時期に担当されたという政治学者の丸山真男さんの名前も耳の飛び込んできた9月19日の国会正門前での集会。懐かしい思いで紹介したい。 安保法制反対で結成され …

楽しい映画と美しいオペラ――その104

チェーホフをより愛するために――濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』 人は他者を理解することは難しい。その難しさゆえに様々な事件が起き、悲劇が生まれる。文学、さらに広く芸術が存在するのは、この困難さのゆえではないか、とさえ思 …

水元公園の池畔談議10 オリンピックと世論

ヒゲ: ハスの花の盛期は終わっているけど、ここハス池ではまだ花がキレイだね。 メガネ: ここは水元公園の南端になるね。ボクが自転車で帰宅するときは、いつもこの池縁りを通るよ。 ヒゲ: そうか。ここを通って、江戸川に出るわ …

むさしまるのこぼれ話 その十六 揺れる心の『赤と黒』

『ハチドリ』  画面の主人公ウニは中学2年で、ソウルの集合団地に暮らす。家族は父母と兄と姉。一家総出でやりくりする家業の餅屋は典型的な零細企業で暮らしは楽でない。いきおい父親は子供たちに高学歴を期待する。けれども、期待と …

楽しい映画と美しいオペラ――その103

宗教は社会を救えるか?――胡傑監督ドキュメンタリー『麦地沖の歌声』 画面いっぱいに老女の顔が映し出される。日焼けした、深い皺が刻まれた顔。どこかで聴いたような節回しで、低くなにかを歌っている。イギリス民謡か。しかしそうで …

過ぎた春

ノルウェーの作曲家グリークの作品に『過ぎた春』というのがある。  郷愁のようなものを感じるこの曲の旋律を聴いていると、今年の過ぎた春ではなく、昔の春のこと、あれこれが記憶の底からあらわれてくる。30年前にはウグイスの …

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