知と文明のフォーラムⅡとは、行き詰った近代文明を打破し、新しい「知」を構築する目的で、北沢方邦、青木やよひを中心に発足した団体です。
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楽しい映画と美しいオペラ

楽しい映画と美しいオペラ――その119

ヴェネツィアで華開いたオペラ――カヴァッリの『ラ・カリスト』 日本のオペラ界にも少しずつ地殻変動が生じてきているのか、このところバロックオペラを観る機会が増えてきた。とても嬉しいことだが、今回の上演が埼玉県の川口でのこと …

楽しい映画と美しいオペラ――その118

映画音楽と現代音楽のはざまで――『モリコーネ 映画が恋した音楽家』 映画を観るのに、選択の基準といえば監督である。いまなら、濱口竜介監督の新作が上映されたなら、観てみようとなるかもしれない。成瀬巳喜男監督がもし存命なら、 …

楽しい映画と美しいオペラ――その117

魔女の恋と色彩感あふれる古楽――バロックオペラ『アルミード』 ジャン=バティスト・リュリ(1632-87)は、1685年生まれのバッハとヘンデルよりも、50年以上も前に誕生している。その彼が晩年に作曲した『アルミード』が …

楽しい映画と美しいオペラ――その116

時代を映し、時代を超えるオペラたち――この秋上演のオペラ作品 この秋にはオペラをよく観に行った。日にち順に記すと以下のようになる。これだけの本数を観ていながら、まだこのブログにはひとつとして取り上げていない。単純に多忙だ …

楽しい映画と美しいオペラ――その115

人生を俯瞰する音楽――シューベルトのピアノ三重奏曲 シューベルトのピアノ三重奏曲を取りあげる演奏会はそんなに多くはない。ある演奏会でたまたまもらったチラシの1枚が、今回のものだった。晩年の3曲が聴ける! しかも奏者は、活 …

楽しい映画と美しいオペラ――その114

愛の本質を問う――『愛と哀しみの果て』(原題『アフリカの日々』) 彼はサファリにも蓄音機を持参した。 3丁の銃と1ヶ月分の食糧。 そしてモーツァルトを。 映画の冒頭、いまは年老いた主人公が、過去を回想する。私は彼女のこの …

楽しい映画と美しいオペラ――その113

北朝鮮は「地上の楽園」か?――ドキュメンタリー映画『スープとイデオロギー』 この映画の主人公は、1930年生まれの、在日コリアンの老女である。オモニ(母)という言葉がぴったり感じられる、まことに存在感のある美しい人で、こ …

楽しい映画と美しいオペラ――その112

明日もまた生きていくために――アッバス・キアロスタミの映画 臨場感という言葉がある。その場に居合わせる感覚だが、アッバス・キアロスタミの作品ほどその感覚を味わえる映画は少ない。たとえば車を運転する場面。『桜桃の味』や『そ …

楽しい映画と美しいオペラ――その111

レオンハルトの伝統を引き継ぐ――バンジャマン・アラールのチェンバロ じつに11年ぶりにチェンバロの演奏会に出かけた。その音色は多彩で、品があり、奥行きの深さがある。若い音楽家の奏でる音色とは思えない。私は、もはや伝説とな …

楽しい映画と美しいオペラ――その110

霧のなかの真実――田坂具隆『この父に罪ありや』 田坂具隆の『この父に罪ありや』は、50分の小品である。しかし、観終わって、大長編映画を体験したかのような感慨をもった。テーマがいく層にも重なり、そのそれぞれに思考を巡らさな …

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